激突!カルディア大聖堂
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問う。
ポーリュシカは短く答えると、眠るマカロフを見つめた。
しばらく見つめ、ゆっくりと口を開く。
「ラクサスを連れてきなさい」
「え?」
「は?」
確かにラクサスはマカロフの孫だ。
が、ただ倒れたというだけで連れてくるのは大袈裟すぎる気がして、レビィとティアは首を傾げる。
続けるように、ポーリュシカは言った。
「祖父の危篤も知らずに遊び回ってるあの子を連れてきなさい」
その言葉に、2人は小さく反応を見せる。
「き、危篤って・・・そんな、大げさな・・・」
「マスターは日頃の疲労で倒れただけ・・・でしょ・・・?」
声を震わせ、冗談を願う。
――――――が、その望みは脆く砕けた。
「いいからお願い。この人は、もう長くない」
そう呟いて振り返るポーリュシカは小刻みに震え、涙を溜めていた。
浮かぶ涙は薄い。
―――――――だが、2人に真実だと告げるには十分だった。
―ラクサス・・・お前はファンタジアには参加せんのか?―
カルディア大聖堂。
1、2段の階段に腰掛けるラクサスは、過去の事を思い出していた。
―ジジィ・・・どの口が言ってやがんだ・・・?ア?―
「俺はガキの頃から『アンタの孫』ってだけで周りから色メガネで見られてんだぞ!何をやってもマカロフの孫だから妖精の尻尾のマスターの孫だからと正当な評価はもらえねぇ!」
今のティア辺りと同じくらいの年だろうか。
ラクリマヘッドホンをしたラクサスはマカロフに向かって怒鳴っていた。
「そりゃあお前の気の持ちようじゃろう。世の中に正当な評価を得てる者など果たしているものか・・・」
ポリポリと頬をかきながらマカロフが呟く。
「ただでさえ居心地悪ィってのに更に『あんな恥』かかせやがって」
「それは・・・」
「アンタには『情』ってものがねぇのかよ」
その言葉にマカロフは視線を落とし、溜息をつく。
「何で親父を破門にしやがったァ!」
そう。
この頃、ラクサスの父親でありマカロフの息子はマカロフによって破門にされていた。
しばらく黙った後、マカロフは口を開く。
「奴はギルドに害をもたらす」
「確かにバカな事ばっかやってる奴だがな、それでもアンタの息子だろ!家族だろ!」
「たとえ家族であっても、仲間の命を脅かす者は同じギルドにおいてはおけん。先代もそうやってギルドを守ってきた。それが妖精の尻尾じゃ」
ラクサスの叫びにマカロフは冷静に答える。
「だったら俺もクビにするのかよ?そしたら俺は親父の立ち上げたギルドに入ってアンタ
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