暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六七幕 「初めての弟子は同級生でした」
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。ターゲットが遂に教室内に現れた。これで役者は揃った。後は朝のホームルームが終了し、生徒が束の間の自由を手に入れるそのタイミングこそ運命の最終分岐点となる。
幸か不幸か、くたびれているユウはクラスの様子がおかしい事に気付いていない。そのままクラスのほぼ全員がただひたすら運命の瞬間を心待ちにした。
(ゆこちー・・・頑張れ!!)←癒子の友達のさゆかとのほほん
(おかしいな・・・ユウへの告白ならジョウさんが勘で察して何かアクションを起こすはずなんだが?)← 一夏
(告白だったら全力で冷かしてやるか・・・)←根に持っている箒
(トトカルチョの元締め・・・軽い気持ちで始めたものの、金額が結構なことになっているな)←ラウラ
(さーて、今回はどんなオチが待っているのかな?)←「その他」に賭けている数少ない生徒の一人、佐藤さん
「ユウ君!いや、残間結章君!!」
「は、はい?何かな癒子ちゃん」
(((((キターーーーーーーー!!!)))))
突然ユウの横へ駆け寄った癒子は真剣なまなざしでユウを見据える。並々ならぬ様子に精神的疲労も吹き飛んだユウは若干動揺しながらもなんとか癒子と体を向き合わせる。
どくん、どくん、どくん。クラス中の殆どの人間が緊張から心拍数を増大させる。ある者は目を輝かせ、ある者は自分の財布事情を左右する決断に生唾を呑み、ある者はモニター越しに「何やってんだろ」と状況が掴めないまま見物する(無論最後のはベルーナ少年である)。
癒子が、ゆっくりと―――床に両膝を突く。正座の体勢だ。
あれ?と思った周囲だが、その余りにもスムーズで自然な動作に目を奪われた。何か神聖なことが行われているような錯覚に見舞われ、全員が言葉を失う。
続いて、両手の第二関節で綺麗な90°を作り、
菱
(
ひし
)
形を描くように掌を膝の前の床につける。その動作に合わせて腰が曲がり、上半身が前へのめり出る。その前へ進む身体を止めようともせず、予め預言書に定められているかのように癒子はユウに文字のまま
頭
(
こうべ
)
を垂れた。それは誰がどう見ても完璧な―――
「私を弟子にしてください!!お願いします!!」
―――Japanese Dogeza Style・・・土下座の構えだった。
「・・・なんでやねん!?」
その一言がユウの絞り出した精一杯で、クラス全員の心境の総意で間違いなかった。
= = =
「少しは、落ち着いたかい?」
「はい、師匠」
「うん、まだ全然冷静じゃないみたいだね。僕は弟子取ってないからね?」
「はい、師匠」
「・・・・・・」
癒子ちゃんが壊れた。リラックス効果のある緑茶を飲ませてみたがカフェインはその仕事を全うしなかったようだ。あの後土下座騒動から癒子はずっとこの調子
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