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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六七幕 「初めての弟子は同級生でした」
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ぁ・・・)
二人の口論は千冬によって「ジョウが悪い」という判決が下るまで続いた。
= = =
クラスのほぼ全員が、とうとう「その時」が来たことを悟った。
その他のメンバーも、何かが起きるという予感は感じていた。
彼等の視線は既に教室内の2点に集中している。教室入口と、一人の女子生徒へと。
注目の的になっている少女の名を谷本癒子という。箒の彼氏騒動の指揮を執ったりして学園を面白おかしく過ごす女の子の一人であり、7月のサマーデビルという凄いのかどうかよくわからない称号を持っている。
そんな彼女の様子がおかしくなったのは、ツーマンセルトーナメントで記録的敗退を喫した後からだろう。あの試合でユウと鈴のコンビに文字通り瞬殺された癒子はその日を境に思いつめるような顔をしていた。そして、その日以来入院したユウの事を何かと気にしだしたのだ。教室内では普通を装っていたが、ユウの名が出ると片がピクリと動いたり、時々一夏にユウの容体を聞いたり、ユウの机を盆や琉眺めていたりと明らかにユウの事を気にしていた。そして暫くすると、悩ましげに溜息を一つつくのだ。
ある生徒は言った―――これは恋の予感!と。
癒子は活発で男子にも積極的に話しかけていたが、彼女の座を狙っているという風ではなくむしろ観察して楽しんでいる様子であった。そんな癒子が特定の男を・・・となるとそう言う噂がたってもおかしくは無い。
またある生徒は言った―――ユウと鈴にやられたのがトラウマになったのでは?と。
確かにああいった大舞台で碌に何も出来ず大敗を喫したなら、その精神的ダメージは計り知れない。試合の決め手になったのはユウの吶喊しながらの投げ飛ばしだから、それが強くイメージに残って彼女を苦しめているのでは、という説だ。
クラス内ではこの2つの有力説が幾度となく激突し、現在では前者優勢である。暗い話と明るい話なら明るい方を選びたがるお気楽学生が多い事もあって、癒子は度々「ユウの所へ見舞に行かないか」と誘われたりもしていた。そのいずれも彼女は「ちょっと勇気が出ないから」と少し悲しそうに断っている。真意をストレートに聞いても話を逸らされ、クラス中はいい加減答え合わせを待ち望んでいたのだ。
そしてその癒子が、今日は妙に気合が入っている。友達からそのことを聞かれると、「もう決めたから」と決意に満ちた顔を見せ、現在のクラス内では「愛の告白か!?」と色めき立ちながら事の顛末を見守っている。
そして、運命の瞬間が訪れた。
「すまんな。適任だと思ったのだが私の見通しが甘かったようだ」
「次は別の人でお願いします・・・」
千冬がいつものスーツ姿で教室に踏み入り、続いて漸くジョウのおんぶから解放されたユウが精神的疲労から肩を落として教室に入る
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