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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六七幕 「初めての弟子は同級生でした」
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前回のあらすじ:病弱少年、やっぱり軟弱
「降ろしてよ!降ろせっちゅーにこの馬鹿兄貴!!」
「恥ずかしがることないだろ?小学生の頃は良くこうしておぶってやったぞ?」
「それを15歳にもなって学校内でやるなぁぁぁーーー!!!」
「あ゛〜久しぶりのユウの体温・・・来るものがあるね」
「うわキモッ!背中に鳥肌立つほどキモッ!やっぱ今すぐ降ろせ!おーろーせー!!」
周囲からくすくすという笑い声やハァハァという荒い息遣いやらカメラのシャッター音やら賑やかなことこの上ない音をバックにユウは連行されてゆく。抵抗しようにも病み上がりの身体では本調子が出ず、上手くジョウのおんぶから脱出できない。ハッキリ言って何故自分が兄に負ぶわれて校内を練り歩くように教室へ向かわなければいけないのか意味が分からない。
本人は必死にもがいているのだが、周囲からは足をバタバタさせながら無駄な抵抗をしている微笑ましい子供みたいにしか見えなかった。それに反してジョウの方はほっこり顔で頭をはたかれても気にせず歩き続ける。・・・まぁユウが本調子に戻るまでの間しかこんなおふざけは出来ないのだが。さしものジョウもマジ説教は怖い。
「何せお前が入院している間は部屋が寂しくて仕方なかったからなー!」
「僕はナースコールを上回る速度で逐一病室に突入してくる誰かさんのせいでいっそ鬱陶しかったけどねっ!!」
「そんなお前・・・照れるなよっ!」
「怒ってんだよぉ!!」
「朝っぱらから元気だなぁ・・・」
「ん?シャルか」
「あ、こんな形で申し訳ありませんがおはようございます」
後ろからやってきたのはシャル。先ほどからコントのような会話を続ける二人を見て愉快そうにくすくす笑っている。
「そっか、ユウは今日から授業に復帰するんだ?」
「ええ。男子生徒ってだけでやたらと検査されまくって大分遅れましたけどね」
ユウは前のトーナメントで肋骨にヒビを入れた影響で入院していたのだが、骨自体は最先端治療の甲斐あってそう時間を掛けずに治ったのだ。しかし、唯でさえ貴重な男子生徒の治療に万一にもミスがあってはならないと言わんばかりに治療後に過剰なまでの検査が行われたのだ。なお、看護師さんの噂によるとその際にユウの遺伝情報を盗もうとした内通者が数人捕まったとか。きっと自分が女だったら3,4日は早く復学できたろうに、とありえもしない仮定を思い描いては溜息を吐く。
「まぁそこは仕方ないと諦めるしかないよね。むしろいい加減な治療をされなかったことに感謝すべきかな?」
「はぁ・・・それだけならまだいいですが、この
兄
(
バカ
)
におんぶされて晒し者にされるのは仕方ないとは思えませんね!」
「ハッ!ISの試合で肋骨にヒビ入れた
弟
(
バカ
)
が何をほざくかね!」
(この二人、本当に仲良いな
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