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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六六幕 「スタートライン」
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が大きく出やすいだろう。ランクの上下による争い事が起きるのも何となく納得したけどよく考えたら適性Sの私が言うと嫌味でしかないね。


それにしてもベル君の乗っている第3世代IS“モナルカ”は変わったデザインをしている。
シンプルすぎて逆に珍しいほど直線的で飾り気のない腕部と脚部。ISとしては珍しく胸部が完全に装甲で覆われており、黒に近いグレーのカラーリングが金属というより彫刻に近い光沢を放っている。背部には切れ目のような隙間のある円柱型のバックパック2つに挟まれる形で推進用と思われる縦に長いスラスターが一つ。まだ適性の関係で本来の機能を発揮することは出来ないらしいが、これがまた恐ろしいほど飾りっ気が無い。スラスターもライフルを入れる武装コンテナの類かと思いたくなるほどパーツが少ない。ISならば普通ウィングによってPICの補助を効率化させるのが主流だが、これは取り敢えず飛べばいいんだ、偉い人にはそれが分からんとか言っているメカニックが語りかけてくるような錯覚を覚える。

あと、頭部のセンサーがちょっと変わっていて、顎部全体を覆うように装着されるタイプのようだ。ゲッターロボみたいな角もあって頭が動かしにくそうに見えるが本人は問題なさそうである。センサーのサイズが大きいので指揮官機か単独行動を想定して設計されたのかもしれない。
(ちなみにセンサーは絶対防御のエネルギー伝達効率の関係もあって、どんな形であれ必ず付ける企画になっているらしい。サイズの小さいヘッドギア型が一般的で、打鉄で言う猫耳みたいなパーツがそれに当たる)

パーツや装甲の多くに円や曲線が使われているのはより衝撃を逸らしやすくするため、つまりシンプルなナリしてパワーと防御に特化したISだ。よって機体は動きが少々鈍い・・・が、ベル君が使うことを考えればこれくらいの方がいいだろう。高機動型だと反応が過敏すぎて余計に混乱するし。

と、反復練習するベル君の様子を見た私は思考に沈むのをそこで打ち切る。

「む、顔色が悪くなってきたかな・・・ベルくーん!一旦訓練中断してISを解除!一息入れようか!」
「わかった」

素直に頷きISを解除したベル君は、些か危なっかしい足取りでこちらに歩み寄ってくる。ISとの感覚のずれで随分消耗していたようだ。優しく手を引いて日陰まで誘導してあげると、ぼそりと「そこまでしなくても歩ける」と不満そうにつぶやいた。感情を分かりやすく表に出すとは珍しい、と同時にあんな足取りで何をのたまうか小童が!とも思う。
ISによって体が動かせるからと悪い勘違いをしているかもしれない。新兵がよくかかる病気という奴なら後が大変なので、ここはびしっと決めておこう。

「強がりは体力をつけてからだよ?ISを動かせるようになったからって、別にベル君の身体が急に強くなったわ
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