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久遠の神話
第七十二話 愛の女神の帯その六
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「幸せに終われないかもな、そして俺がそうなっても」
「他の奴がか」
「不幸で終わるかもな」
 その可能性は高いというのだ、そして。
 そうした話をしたうえでだった、中田は自分の昼食を食べ終えてそのうえで広瀬に対して笑顔で言った。
「じゃあまたな」
「ああ、またな」
「今度は剣士同士じゃなくて知り合いとしてな」
「会うか」
「何ならダチでもいいけれどな」
「面白いな、友達か」
「ああ、それで会うかい?」
 まだ席を立ってはいない、そのうえでの問いだ。。
「そうするかい?」
「俺は友達は多い方がいいと考えている」
「へえ、意外だね」
「これでも常に誰かいて欲しい」
「ああ、だからか」
「一緒になりたいとも思っている」
 由乃、彼女とだ。
「そうも思っているからな」
「それでダチもか」
「多ければ多いだけいい」
 それで嬉しいというのだ。
「だからあんたともな」
「ああ、じゃあ次の戦いでな」
「今度は友達としてな」
「また会おうか」
「そういうことでな」
 こう言葉を交えさせた、中田はこれを最後に席を立った。
 広瀬は一人になりそのうえで自分の昼食、既にかなり減っているそれを食べながら今は一人で呟いた。
「ハッピーエンドで終わらせるか」
 こう呟き午後にだった、また自分の前に現れた聡美に言った。
「その時になればな」
「はい、勝って下さい」
「あんたは俺に勝って欲しいか」
「何度も申し上げますが私の願いはです」
「この戦いを終わらせることだな」
「そうです、お姉様を止める為に」
「俺にも勝って降りて欲しいか」
 その戦いをだというのだ。
「わかった、ではだ」
「もうすぐ帯を頂いてきますので」
「帯か」
「はい、アフロディーテ姉様から」
 ギリシア神話における愛の女神だ、女神の中でも際立った美貌で知られており様々な芸術作品のモデルにもなっている。
「頂いてきますので」
「それでだな」
「その時にです」
「戦ってか」
「手に入れて下さい、怪物はこちらで用意します」
 聡美達の方でだというのだ。
「ですから」
「わかった、ではな」
「勝って欲しいです」
 聡美はこうも言った。
「是非共」
「最後の闘いにか」
「はい」 
 その通りだというのだ。
「この戦いは願いを適える為には戦わなくてはなりませんが」
「普通に降りる場合はいいか」
「はい、その場合は」
 戦わずともいいというのだ。
「特に」
「そうなのか」
「しかし願いを適えるのなら」
 その場合は、というのだ。
「必ず一度はです」
「戦ってか」
「勝たなければなりません」
「それがこの戦いの決まりか」
「セレネー姉様が定められました」
 彼等を戦わせているその女神がだという
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