第26話 グリニア星域会戦
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ない。
故に、グエン・バン・ヒューはルフェール軍を脅威とは見ていなかった。
攻撃重視で編成されたグエン・バン・ヒュー艦隊がルフェール軍に牙を剥く。
26日 19時11分。
グリニア星域の会戦が開始された。
* * *
――20時15分――
「ラウード隊、突破されました!」
「エーヴィン提督の艦隊が200隻にまで撃ち減らされています」
第二艦隊旗艦トイホーレの艦橋には悲痛な報告が引っ切り無しに入ってくる。
そのどれもがルフェール軍の劣勢を示していた。
「キュネイ隊をラウード隊の援軍に向かわせろ。エーヴィン隊は後退、オズン隊は前進してエーヴィン隊の穴を防げ」
アルベインは指示を矢継ぎ早に出すが、悪化する戦況には追いつかない。
これが全てアルベイン直属の艦隊であればこうはならなったのだが、混成部隊のため指示がスムーズに伝わらないのだ。
「このままでは埒が開かん、戦線を押し上げる。ヨルキン、ドーザン隊を横に展開させて敵の頭を抑えさせよ」
「しかし、それでは予備兵力が底を突いてしまいますぞ!」
「今の我々に出し惜しみをしている余裕があると思うか? 敵は目の前の艦隊だけではないのだぞ」
アルベインはそう言って、参謀の反対を却下する。
グエン・バン・ヒュー艦隊の撃退に手間取れば敵の増援が到着してしまうのは自明の理であり、無視して撤退しようにもグエン・バン・ヒュー艦隊の攻撃は激し過ぎた。
「それにしても、味方が脆過ぎる。如何に寄せ集めとはいえ、このままでは………」
・・・・・
――22時06分――
グエン・バン・ヒュー艦隊はルフェール軍前衛部隊の切り崩しに成功していた。
「敵の前衛の分断に成功しました!」
「なかなか手間取ったな、敵の指揮官は余程優秀と見える。だが、こいつで終わりだ!」
既にルフェール軍はグエン・バン・ヒュー艦隊の突撃に耐えるだけの余力は無い。
前衛を崩せばそのまま連鎖的に全軍が崩れるのがオチだ。
グエン・バン・ヒューは麾下の艦隊に敵中央への突撃を命じる。
が、その時――
「て、敵の新手です!」
「何だと!」
それは、本国より救援に駆けつけてきたロング・ニトラス中将率いるルフェール第一艦隊15000隻であった。
優劣は一気に逆転する。
今まで狩る立場であったグエン・バン・ヒュー艦隊は、一転して狩られる立場となった。
「ハハハ、こいつは参った。やられたぞ!」
グエン・バン・ヒュー艦隊は攻勢に秀でている反面、守勢に弱いという欠点を持つ。
これは旧ビッテンフェルト艦隊やファーレンハイト艦隊、ハルバーシュタット艦隊など攻勢特化型の艦隊に共通する特徴であるが、中でもグエン・バ
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