第五十二話 文化祭のはじまりその五
[8]前話 [2]次話
「メゾソプラノだと背の高い人が多いわね」
「それって男の人もですか?」
「ええ、テノールよりバリトン、バスの人の方がね」
背の高い人が多い傾向があるというのだ。
「まあドイツ人は元々大きな人が多いけれどね」
「ドイツ人はですか」
「テノールやソプラノでも」
「北欧の人もね」
そうした国、つまり寒い国々の人間はというのだ。
「大きいわよ」
「そういえばヒトラーも」
里香はドイツということからこの人物の名前を出した、もっとも厳密に言えば彼はオーストリア人であるが。
「一七二ありましたね」
「ええ、私より二十プラス二センチは高いわ」
何気に自分の背のことも言う部長だった。
「何処が小男よって感じよね」
「当時のドイツ人の平均らしいですけれど」
「勿論当時のドイツ人の平均身長は当時の日本人の平均身長より高いわよ」
つまりヒトラーは当時の日本人から見れば充分背が高いのだ。。
「今だってね」
「一七二ですと」
「ドイツでもそんなに小さくないわよ」
それだけあればというのだ。
「幾ら何でもね」
「そうですよね」
「とにかくね、ドイツ人はね」
あらためて言う部長だった。
「大きいから」
「それで有名ですよね」
景子もドイツ人の背丈について言及する。
「ドイツ人は」
「でしょ?ドイツ人の声も全体的にね」
「日本人に比べれば低いんですね」
「そう思えるわ」
「身体の大きさですか」
琴乃もここで言う。
「それが声の高低に関わるんですね」
「だから小柄だとね」
「声が高いんですね」
「それで女性の声優さんはね」
小柄な人が多いというのだ。
「そうみたいよ」
「部長さんも声高いですしね」
「そうでしょ、私もね」
「やっぱり小柄だとですか」
「そうみたいね、中には例外の人もいるけれどね」
背が高くても声が高い人がだというのだ。
「基本はね」
「そういうことなんですね」
「それにしてもあれよね、ヒトラーがね」
話がこの独裁者のことに戻った。
「一七〇あったなんてね」
「それは意外ですよね」
「小柄って思ってたら」
「それがなんですね」
「一七〇あったんですね」
「ええ、それがね」
部長は首を傾げさせながら彼のことを話していく。
「私最初そのことを聞いてびっくりしたのよ」
「髭の小男じゃなかったんですね」
「そうだったんですね」
プラネッツの面々もこう言うのだった。
「当時のドイツ人の間でも平均で」
「全然小さくなかったんですね」
「そうよ、むしろ私から見たら」
部長は自分の背からも見て言う。
「普通に見上げないといけないから」
「あたしも目線上になりますよ」
美優もそうだというのだ、一六七の彼女でも。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ