第五十二話 文化祭のはじまりその三
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「私達もね」
「乗ってくるわよね」
「部長さん言われるだけでなく」
それに加えてだというのだ。
「乗せるのもね」
「そうよね、そのこともね」
「上手だから」
このことも部長の長所なのだ。
「それでよね」
「とてもね」
こう話すのだった、そして。
そうした話をしながら五人で部室に戻った、すると部長はまだ濡れた髪の毛を丁寧に拭いていた。そのうえでこう五人に言ってきた。
「お帰り、髪の毛はちゃんと拭いた?」
「はい、乾かしました」
「ちゃんとドライヤーで」
「お風呂に入ったらね」
それだけでなく、というのだ。
「ちゃんと髪の毛も乾かさないとね」
「駄目ですよね」
「風邪ひきますよね」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「私もなのよ」
「部長さん髪の毛結構長いんですね」
景子は今は普段のツインテールではなく解いている彼女の髪を見て言った。見ればその髪の長さは優に背中の真ん中まであった。
「思ったよりも」
「そそる?」
「女同士ですから」
それはないとだ、景子は笑って返した。
「それはないですけれど」
「実は私髪の毛はね」
「結構長いんですね」
「伸ばしてるのよ」
そうしているというのだ。
「あえてね」
「それでツインテールにされているんですね」
「そうなの、小柄だと長めのツインテールが似合うじゃない」
自分の背丈から考慮したことだというのだ。
「それでなのよ」
「そうだったんですか」
「ええ、そうなの」
髪の毛、それを拭きながらの言葉だ。
「そうしてるの」
「伸ばされてるんですか」
「あんた達プラネッツは皆よね」
部長は五人のそれぞれの髪の毛を見て言う。
「長いわね」
「そういえばそうですね」
「五人共ですね」
「そういうのも珍しいわ」
そうだというのだ。
「大抵五人いたら一人は短い娘がいるから」
「ですね。ショートとかボブの娘が」
「確かにいますね」
「そうでしょ、いるでしょ」
部長はこう五人に話すのだった。
「脱色している娘とかね」
「茶色とかですね」
「そういう髪の色の娘も」
「あんたの髪も最近」
部長は美優の髪を見て言う。
「黒いわね」
「はい、何か最近そんな気分で」
美優もこう部長に答える。
「前までちょっと脱色してたんですけれど」
「今は自然に戻したのね」
「はい、黒に」
美優の髪の地の色もそれだというのだ、アジア系に最も多いというか標準の色と言っていい髪の色なのだ。
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