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不殺の侍と聖杯戦争
プロローグ
契約の時
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。ただ、君に期待する、と。


「では洗礼をはじめよう。変わらずに繰り返し、飽くなき回り続ける日常。そこに背を向けた君の決断は生き残るに足る資格を得た。しかし、これはまだ一歩目にすぎない。君の聖杯戦争はここから始まるのだから。かつて地上には全ての望みを叶える万能の願望機が存在した。それを人は『聖杯』と呼び、己の欲望を叶えんがために争った。この戦いはそのシステムを継承したもの。聖杯を手にする一人を選定する魔術師(ウィザード)達の命を賭けた戦争。君は今、その入り口にいる。聞け。数多の魔術師よ。己が欲望で地上を照らさんと、諸君らは救世主たる罪人となった。熾天の玉座は最も強い願いのみを迎えよう………」


殺し合い?
魔術師?
聖杯?

そんな、疑問を体に刻み込む。


「戦いには剣が必要だ。それがサーヴァント。敵を切り裂く剣にして、矛を阻む盾。これからの戦いのために用意されし英霊。それが君の隣にいる者だ。」


隣にいる侍を見る。
穏やかな顔で上空を見上げていた。

彼が、サーヴァント………


「君の決断は見せてもらった。その決意を代価とし、聖杯戦争本戦への扉を開こう。」


駄目だ。話を聞いている時からあった左手の令呪……と呼ばれたそれが再び痛みだす。もう耐えられない。


「それではこれにて聖杯戦争の予選を締めくくる。いかなる時代、いかなる歳月が流れようと戦いをもって頂点を決するのは人の摂理。月に招かれし、選ばれた電子の世界の魔術師たちよ。聖杯をめざし、思う存分に、殺し合え。」


薄れゆく意識の中で、それだけが聞こえてきた。
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