第28話 小さな体に大きな決意を
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「ふうん…………ええ!? ヘキサ一人で!?」
咲はヘキサをまじまじと見返した。目が据わっている。本気だ。
「一人じゃないわ。葛葉さんといっしょに行かせてもらえるよう、兄さんがたのんでくれるって」
「じょ…っ」
(ジョーダンじゃない! いくらだれかといっしょでも、ヘキサはアーマードライダーでもないふつうの子。そんなあぶないライダーが出る場所にハイどーぞって放り込めるわけないじゃん! オオカミのオリにひつじ投入するようなもんだよ!)
俯いた咲の顔をヘキサが覗き込む。
「咲、だいじょうぶ?」
「――――ごう」
「ご?」
「ウチの子全員しゅーごー!」
自主練やら別のグループとのおしゃべりやらをしていたモン太、チューやん、ナッツ、トモが顔を上げ、がやがやとこちらに戻ってきた。
「リーダー、なにー? クリスマスパーティーでもすんのか?」
「てかウチの子ってなによ。ツチノコみたいじゃん」
「クリスマス近くに、ビートライダーズのトップランカーで新しいゲームがあるの。参加していいと思う?」
全員の顔からおふざけ要素が削げ落ちた。彼らはいつもの作戦会議用の円陣を組んだ。
「ランキング上げたいの?」
「ううん」
「……ほかのチームのケンセイ」
「ううん」
じゃあどうして、と仲間が口々に言い、咲に注目する。
「チーム鎧武の人たちが、最近のインベス事件についてしらべてるの。それで、ヘキサを通してあたしに協力してほしいって。このゲーム、調査のイッカンなんだって。それと、もいっこ。ヘキサのおうちのジジョー。そのゲームで、お兄さんのことで知りたいことがあるの」
「お兄さんってチーム鎧武の龍玄……」
「じゃ、ないほう」
皆がヘキサを向く。ヘキサは肯いて誤りがないことを伝えた。ヘキサのほうも、咲たちを信頼してくれているから、こうして内情を曝しても怒らない。
「ヘキサのおうちのことならしゃーないかぁ」
モン太が言ったのを皮切りに、残る3人も賛成の声を上げた。
「決まりね。ヘキサ、お兄さんに伝えて。リトルスターマインも参加するって」
「つ、伝えるのはいいけど……咲、ほんとにいいの? いつものインベスゲームとはちがうのよ?」
「ロックシード集めでしょ? だったらむしろインベスゲームより安全じゃない。だいじょーぶ。あたし、がんばるから。だからいっしょに行かせて? ね?」
かくて、室井咲と呉島碧沙の「クリスマスゲーム」への参加が決定した。
…………
……
…
――12月24日
沢芽市のとある倉庫街に、光実、戒斗、初瀬、城之内、咲――ビートライダーズの5トップが集結した。
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