暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos11再臨・遥かなる夜天を支える翼〜Advent: Sch?ner Ritter〜
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す、マスター。というか、そもそもこんなに必要なかったよ、魔力。魔術・魔法の無いこの世界の住人相手、ううん、魔導師でも負けるほど私は弱くないんだから』
『判ってるよ、それくらい。何事にも念の為、だ』
シュリエルっていう戦力が活動できるようになった今、私ひとりが頑張る必要はなくなった。だから私がこの世界に存在するのに必要な魔力を還すのは当たり前。一応私を含めた“エインヘリヤル”はマスターから魔力を供給しなくても、大気中に在る魔力から供給して存在固定が出来る。けどどうしても全ては外からは賄えず、マスターに依存することになる。
特にこの世界、地球ではより深刻。だってこの世界、魔力が薄い。私のように魔力を食う高位に“エインヘリヤル”にとっては辛いから、マスターからの魔力供給量も多くなる。それなのにそんな私を、自分の使用魔力が減衰するにも拘らず召喚した。それだけ私を信頼してくれているという事だって解る。だからこそマスターの期待に応えたい。
「んあっ・・・!?」
いきなりこの身を構成する魔力が減らされてビクッと感じてしまった。はやて達を起こさないように慌てて口を両手で塞ぐ。でも足が震えて立つことが出来ずその場にへたり込んでしまう。ドキドキと早鐘を打つ偽りの心臓の鼓動を強く感じる胸に手を置く。
『それじゃあもうしばらくの間、はやての事を頼んだぞフェンリル』
『りょ、了解です・・・』
マスターとの念話が切れる。少しの間そこで座り込んで、ようやく鼓動が治まってきたことで立ち上がる。目指すはマスターが居ない間、私が体を休める場所であるマスターの部屋。リビングを出て廊下を歩いてマスターの部屋へ。ガチャっと扉を開けて部屋の中に入って「すぅ〜〜はぁぁ〜〜」深呼吸。うん、マスターの香りだ。私にとってはどれだけ微かだろうが、狼としての鼻の良さでマスターの香りを嗅ぎ分けることが出来る。
(ん? いま誰かが私のことを変態とか言ったような気が・・・)
気の所為だと思い、私は裸になって昨日も寝たマスターの部屋にダイブ。ボフッと柔らかいマットが私を受け止めてくれた。そして私は目を閉じ、「おやすみなさ〜い」遠き地で頑張っているマスターに向かって挨拶。そのまま眠りについた。
渦巻く曇。降るのは雪。アースガルドへ繋がる唯一の道を有する世界であるビフレストはイーヴェンティノン平原。広大な平原はいま雪が降り積もっている。
「戦って・・・フェンリル・・・。もう死んじゃうあたしに代わって・・・」
「アトリ様! 嫌です! 死んでは嫌です! わたくしを置いて逝かないでください! わたくしは・・・フェンリル狼は、これまでもこれからも・・・貴女さまだけの使い魔です! 貴女さまが居なければ私に戦う理由は・・・!」
「そんなこと言わないで
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