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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos11再臨・遥かなる夜天を支える翼〜Advent: Sch?ner Ritter〜
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†††Sideはやて†††

ルシル君たちが危ないレースに参加するために出かけての翌日、その夜。フェンリルさんと夜ご飯の後片付けをしてる時、“闇の書”がふわふわ飛んで来た。わたしが“闇の書”の主やって確かな自覚をして、そしてシグナム達が“闇の書”の完成させるために戦闘することを許可したら、こうやって意思を持ったかのように自分で飛ぶようになった。なんてゆうかペットみたいや。

「ん? どないしたんや?」

そんな“闇の書”がわたしの右腕にすりすりってすり寄って来た。甘えてるような“闇の書”を、フェンリルさんと一緒に微笑ましく眺めながら後片付けを続ける。それから明日のご飯はどうするか話しながら後片付けを全部終えて、フェンリルさんとリビングのソファに座ってゆっくりしようとした時。

「うにゃ?」

今まで隠れてたフェンリルさんの狼耳がピョンと勢いよく立った。その間でも“闇の書”は何かを伝えたいんかわたしの周りを飛び回る。わたしは「早く話が出来るとええなぁ〜」って、抱き止めた“闇の書”の表紙を撫でる。

「はやて。マスターから連絡。闇の書を転移させたいんだけど、いいかな?って」

フェンリルさんにそう言われてある考えが浮かんだ。それを確認するために「もしかしてこのことを伝えたかったん?」って返事がないのを判ってるけど“闇の書”に訊いてみる。と、返事の代わりやと思うけど“闇の書”はフワって浮いて、頷くようにコクリと傾いた。

「ん、そうか。・・・フェンリルさん、今から闇の書を送る、ってルシル君に伝えて」

「りょ〜か〜い♪」

フェンリルさんはルシル君と思念通話やけど話が出来るのがホンマに嬉しいようで、耳と一緒に出た尻尾をフリフリ。フェンリルさんはホンマにルシル君のことが好きなんやなぁ。フェンリルさんを眺めてると、わたしの前に浮いてた“闇の書”が、いってきます、って言うようにわたしの頬に一度すり寄った後、パッと消えた。ルシル君たちの所へ行ったんやな。

「はやて。マスター達ね、今日のレース、圧倒的大差で1位になって、リンカーコアをたくさん手に入れたって。しかも全員無傷で無事。良かったね♪」

フェンリルさんからそう報告された。無事で良かった、うん、良かった。けど、それでもやっぱり心の底から素直に喜べへん。確かに相手は悪い人たちやけど・・・でも傷つけてるとなるとどうしても、な。

「はやては本当に優しいんだね」

「わぷっ? フェンリルさん・・・?」

俯いとると、いきなりフェンリルさんに前からハグされて、頭を優しく撫でてくれた。

「マスター達にもすでに言われてると思うけど、優しさは確かに美徳だよ。でもね、自分を蔑ろにしてまで貫く優しさ。それは時に偽善と取られちゃう。何かを企んでるのかも、なんてね」


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