第三十八話
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なら言ってくれれば用意する」
「え〜っと、たぶん大丈夫だと思います」
「そうか、ならその荷物は全部置いておけ。邪魔になるからな」
「分かりました」
その後、これからの職場に当たる校舎を案内して食堂棟、商店街、図書館島など利用すると思われる場所を次々と案内していく。
「とりあえず一通りの案内は終わったが他に案内して欲しい所はあるか」
「いえ、大丈夫です」
『Aria』に行きたいとは言わないか。向こうの学園長には出発前にアリスが麻帆良に居る事を伝える様に言っておいたし、わざと案内していないのだがやはりこいつはアリスを避けているな。気に喰わん。家族を求める振りをしながら、目の前に居る家族を無視する。いや、もしかしたらアリスを家族と認めていないのか?
なら、その家族に裏切られて壊れてしまえ。
side out
side ネギ
今、僕の隣に居る天流先生は今まで会った事の無い人だ。会って直ぐに僕のことを怒って、一瞬殺されるとも思った。魔法も使えない人に殺されると思うなんて思っても見なかった。公私混同は絶対にしないと言っていたのは本当で色々と丁寧に教えてくれたりしたけどこの人の事は好きになれそうにないや。僕は間違った事をしていないはずなのに。迷惑をかけない様に一人でここまで来たっていうのに、遅れたのだって飛行機の時間とかを考えたら普通なのに。学園長もタカミチも笑って、これからは連絡を入れてくれって言ってくれたのに。どうしてこの人は分かってくれないんだろう。間違ってるのは僕じゃなくてこの人なのに何で分かってくれないんだろう。
side out
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