暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
『大いなる破壊』編
第二十八話
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口調・・・元のまんまなのは、普通に嬉しい。

「柚実に、子供なのは変わらないでしょ!って怒られてね」
「なるほどな」

 まあ、かなり楽観的な人ではあるけど、その軸だけは絶対にぶれない。
 だからこそ、こんな家族の母親をやっていられるのだろう。

「まあ、子供が出来ない俺と柚実からすれば、この光景は何度見ても夢のようだし、家族を五人も増やしてくれた武双には、結構感謝してるんだぞ?」
「まあ、俺の恩返しだと思ってくれ。家族というものを教えてくれた、な」

 神代隆哉は乏精子症、神代柚実は着床障害・・・要するに、二人揃って不妊症にかかっている。
 そのため、二人とも呪術関係の名家の人間でありながら、元の家と絶縁してこうして暮らしている。

 だが、それでも子供が欲しかった二人は親のいない孤児を引き取ることにした。それも、自分達がかかわっている世界でも十分にやっていけるだけの才能を持った子を。
 そこに母さんの趣味が加えられたことはなにやってんだと思うが、そんな感じで崎姉が引き取られ、リズ姉、立夏、林姉、俺、といった順で神代家の人間は増えていった。

 いや〜ホント・・・この家に引き取られてなかったら、俺は家族というものが恐怖の対象でしかなかったんだろうな・・・

「さて、そろそろ止めないと、本題に入れそうにないな・・・」
「やっぱり、帰ってきたのには何か理由が?」
「一応、な。三つほど理由があって帰ってきたんだが・・・柚実!そろそろ本題に入るぞ!」
「は〜い、隆哉さん」

 父さんの言葉で母さんは四人から離れ、自分が席に着きながら俺たちにもつくように手振りで示してくる。
 なんだか、面倒ごとの予感がしてきた・・・

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