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ヘタリア大帝国
TURN120 エイリス王家その九
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「ですから」
「はい、それでは」
「全軍撤退です」
 こう言ってだ、そして。
 エイリス軍は素早く決断を下して撤退に入った、要塞にいる将兵達を慌ただしく収容しての急な撤退になった。
「急げ!」
「遅れた奴は置いていくぞ!」
 これは脅しではなかった、今のエイリス軍はそこまで余裕がなかった。
 それで彼等は慌ただしく艦艇に乗り込んでいく。艦は満杯になったものから次々に要塞を後にし北アフリカに向かう。
 要塞には物資も豊富にあった、だがその全てを。
「止むを得ない、放棄だ!」
「地図も宙図も置いていけ!」
「弾薬も食料も収容する時間がない!」
「人だけ乗せろ!」
「片っ端から乗っていけ!」
 とにかく今は時間がなかった、それで。
 彼等は実際に乗り遅れた者は置いていってスエズを脱出していった、曲がりなりにもその撤退は迅速でエイリス軍は何とか戦線を離脱した。
 要塞には現地軍を中心としてまだかなりの軍が残っていた、だが。
 エジプトはその彼等にこう告げた。
「降伏」
「降伏ですか」
「そうされますか」
「・・・・・・・・・」
 エジプトは彼等の問いに無言で頷いてみせた。
 そしてだ、無言で枢軸軍をモニターに映して降伏を打診したのだった。
 枢軸軍もその降伏を受けた、そうしてだった。 
 エイリスの植民地統治の要衝スエズもまた陥落した、枢軸軍はスエズを占領するとそこを拠点としてさらに侵攻を続けることにした。東郷はエジプトと合ってからこう日本に言った。
「いや、本当に今回は祖国さんのお陰だな」
「いえ、私は何も」
「あそこで祖国さんがアステロイド帯を攻撃することを見つけなかったらな」
 それがなかったら、というのだ。
「この戦いは勝てなかった」
「スエズを攻略出来なかったというのですか」
「そうだ」
 その通りだというのだ。
「本当に祖国さんのお陰だ」
「恐縮です」
「これは功績だな、とはいってもな」
 日本は国家だ、人間の提督ではないので。
「昇進や昇給はないからな」
「はい、それは」
「じゃあ何かご馳走するか」
 東郷はこれを日本への礼とすることにした。
「河豚でも食べるか」
「あっ、河豚ですか」
 河豚と聞いてだ、日本は顔を明るくさせてこう言った。
「それはいいですね」
「そうだな、あれは最高の魚の一つだ」
「ではてっさですね」
 河豚の刺身だ、魚よりは貝を食べている食感である。
「それですね」
「刺身だけじゃない」
 東郷は顔を明るくさせた日本にさらに言う。
「鍋もだ」
「それもですか」
「唐揚げもどうだ、そして白子もだ」
「河豚尽くしですか」
「そうだろうか、それで」
「素晴らしいですね、それは」
 日本は目を輝かせてさえいる。
「それでは
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