TURN120 エイリス王家その八
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「勝てる的な?」
「後ろ、ですか」
「そこ的な」
マカオ妹と香港妹はドワイトの予想通り妨害されまともに進むことすらままらない鉄鋼弾を観ながら話をした。
「ではどうするべきか」
「後ろに回るにはどうするか的な」
二人から枢軸軍全体を考えた、そしてここで。
秋山と日本も戦局全体に視点を移した、彼等の常として戦局が息詰まると一つのポイントではなく戦局全体を見直して考えなおすからだ。
今枢軸軍はスエズの入口、宇宙潮流とアステロイドの間に布陣するエイリス軍と対峙している。まさに門で防がれている。
そうした状況だ、そこまで観てだ。
日本はふとだ、秋山にこう言ったのだった。
「参謀、宜しいでしょうか」
「祖国殿もお気付きになられましたか」
「はい、アステロイド帯ですが」
日本が今観ているのはそこだった。
「防衛ラインの南、そこにです」
「一際薄い場所がありますね」
「あそこを突破出来るでしょうか」
こう言ったのである。
「ここは」
「そうですね、ここはです」
「あのポイントに集中攻撃を浴びせましょう」
艦載機やビーム等でだというのだ。
「そして穴を開けて」
「そこから入りですね」
「敵要塞の後方に回りましょう」
ガラ空きになっているそこにだというのだ。
「そしてそこに回れば」
「エイリス軍は防げません」
「彼等はそれを観て北アフリカまで撤退します」
「では」
「長官、どうでしょうか」
日本は秋山と話してからあらためて東郷に問うた。
「ここはそれで」
「そうだな、このまま攻めてもあの要塞は攻略出来ない」
東郷も日本に応えて述べる。
「それならな」
「はい、まずはアステロイド帯に穴を開け」
「そこから入りだ」
そしてだというのだ、東郷もまた。
「敵の後方に回る」
「わかりました」
「全軍アステロイド帯に攻撃を仕掛ける」
敵防衛ラインの南にあるそこにだというのだ。
「そしてそこから敵の後方に回る」
「了解です」
「それでは」
将兵達も東郷の言葉に応える、そしてだった。
彼等は一気に動いた、そのポイントを一気に攻めて穴を開けてだった。
穴を一気に通り抜けた、それは鮫の群れが狭い海中の洞窟を通過する様なものだった、そしてそこを通り抜け。
エイリス軍の防衛ラインの後方に回ろうとする、イギリス妹はその彼等の動きを観てすぐにモンゴメリーに言った。
「提督、ここは」
「はい、このままではですね」
「我が軍の後方は手薄です」
守りは全て前方に向けていた、後方に回られる危惧は地の利を活かして防いでいたのだ。だがその地の利が破られてはだった。
「このまま攻められれば」
「敗れます」
「ですから」
モンゴメリーに冷静だが確かな声で延べる。
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