TURN120 エイリス王家その五
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「その空母は冬は溶けないのね」
「はい、かなり強力な氷らしく」
それでだとだ、小澤が答える。
「溶けません」
「それはいいことね」
「マダガスカルでも溶けませんでした」
まさに熱帯のそこでだというのだ。
「ですから北アフリカも」
「大丈夫なのね」
「はい、安心してエイリス軍と戦えます」
「じゃあいいわね」
そこはいけるとだ、クリスが語る。
「北アフリカの向こうのイタリン戦も」
「そこからはですね」
「戦えるわ。実は私ずっとイタリンに行きたかったから」
「観光地としてですね」
「ええ、そうよ」
まさにその通りだというのだ。
「スパゲティも楽しみよ」
「イタちゃんのパスタは美味いからね」
キャシーも楽しげに笑って言う。
「本場の素材で作るともっと美味いんだろうな」
「そういうことも楽しみ的な」
香港もいる。
「俺美味しいものは他の国の料理もいける的な」
「そうそう、私達美味しいものは何でもいけるわ」
台湾もそうだというのだ。
「イタリン料理もね」
「しかしイタリンって凄い人気やな」
キューバはその彼等を見てこう言った。
「俺も嫌いやないけどもてもてやないか」
「余も行ってみたいホーーー」
ハニーもだった、それは。
「イタリンの可愛い娘ちゃん達と遊んでみたいホーーー」
「ハニーさんもかいな」
「だから行くホーーー」
ハニーは煩悩全開で語る。
「勿論パスタも食べるんだホーーー」
「あの、どうやっていつも召し上がられてるんですか?」
このことが気になってだ、のぞみはハニーに尋ねた。
「前から気になってましたけれど」
「口の中から入れて食べているホーーー」
ちゃんとその手で箸やフォークを使ってだ、尚指はない。
「それはのぞみも見ている筈だホーーー」
「なら消化は」
そこも気になることだった。
「どうされてるんですか?」
「ちゃんとしているホーーー」
「ハニワ族にも消化器官があるんですね」
「その辺りは秘密だホーーー」
「いや、秘密にすることじゃないんですけれど」
「細かいことは気にするなホーーー」
こう言ってだった、ハニーはイタリン行きも楽しみにしていた。しかしその夢のイタリンに行くにはその前にだった。
障害があった、それこそがだった。
秋山は大和の艦橋でこう東郷に述べた。
「では今からです」
「ああ、スエズに入るな」
「そしてですね」
「スエズの防衛ラインを攻略する」
要塞、そして艦隊も全てだというのだ。
「そうするからな」
「まずは敵要塞を攻略しましょう」
秋山はこう彼に言った。
「艦載機を使い」
「いや、艦載機は敵艦隊に回そう」
だが東郷は秋山のその立案に反論で返したのだった。
「そちらにな」
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