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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第14話 聖女のような悪魔
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使い


 ――広間のど真ん中に拳を叩きつけた!


 ドガアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ


 再び轟音が鳴り響き、地面に大きなクレーターができた。
 一連の行動に追いつけなかった堕天使たちは、陥没した地面に足をとられ転倒してしまう。
 その隙を縫うようにして、俺は急速にアーシアに接起するが、堕天使の女に遮られた。


「クソッ!お前、赤龍帝だったのか。わたしの邪魔ばかりしやがって。あの時殺しておくんだった……!!」


 よくみると、見覚えのある顔だった。
 かつて、天野夕麻と名乗り告白してきた女――レイナーレだった。


「よくもッ!おまえが、アーシアをッッ!!」 


 ――――体中が悲鳴を上げているが、関係ねえ。


 ――――こいつだけは、こいつだけは許すわけにはいかない!!


「回復能力をもつ神器は珍しいからねぇ!だからこそ、あの女の神器を貰い受けようとおもったのにッッ!!」


 激昂する俺をみて、やや落ち着きを取りなおした彼女は、嘲笑しながら話しかける。


「原因不明の理由で、儀式は失敗。あの女も死亡してどうしようかと思ったケド。どのみち、神器を取りだしたら死ぬわけだし、諦めるとするわ。でも、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』さえあれば、何も問題ないわね――」


 その後、恍惚とした表情で自らの「目的」とやらを演説する堕天使。
 要するに、神器を手に入れて、上司の気を惹きたいらしい。


 ――――そんなことのためにアーシアは犠牲になったのか。


 煮えたぎるような激しい怒りのなか、どこか冷静に思考する自分がいた。
 冷静な部分は、己の内の中に「力ある意思」の存在に気づく――



 ――――ようやく俺にきづいたか、今代の赤龍帝よ


 その一言で全てを理解した。
 コイツだと。コイツが俺に宿っている力の正体。
 『赤龍帝の籠手』の内に眠る龍の魂――――ドライグだ、と。



(ドライグ、力を貸してほしい。あの女を倒せるだけの力を)

(お安い御用だ、相棒。意識を研ぎ澄ませ――いまの相棒ならどうすればいいかわかるはずだ)

(――――ッッ!これかっ!!)


『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』





 ―――どうしてこうなった!?


 兵藤一誠がまさかの禁手化(バランス・ブレイク)だと!?
 この時期になんで禁手化するんだよ。
 度肝を抜かれたボクは、あわててヴィータに連絡をとった。
 地下礼拝堂が、兵藤一誠のレイナーレに放った一撃のせいで崩落したのだから。 


(ボクたちの力も合わせれば、グレモリー眷属の戦力がすごい
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