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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第43話 ライトニング潜入
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そんな心の中でも呟きをエクスは聞き逃さなかった………
「ん?」
エレベーターは直通で更に10階降りた場所に向かう為の物だった。
「エローシュ、どうしたの?」
「………誰かいる」
最初に着いた場所よりも暗く、ユニゾンしているエローシュでも見えないほどの暗闇。
しかしエクスのお蔭が、人の気配がしたのをエローシュは感じていた。
「これはこれは………裏切り者の2人の次はこんなに小さな客人とはな………」
明かりが点き、視界が晴れると、その部屋は上をかなり長く太い柱で何本も支えている何もない部屋だった。
そしてその広い部屋の中心あたりに、聖王教会とは違う、灰色の司祭服を着た若い男が居た。
「まさかあの2人以外にもこの場所に気が付いた者が居たとは………お蔭でこの部屋に再度次元結界を張り直す時間が取れなかった」
「次元結界って言うのはあの地下へと降りる時にかけられていたチェーンの事か?」
「それを破ったのにも驚きだな。一体どうやったんだ?」
「………教えられないね」
「ふむ………この魔法は古代ベルカ戦争時の小国で潜入した敵を別の場所に強制的に移動させるための魔法を使っている国があった。現在は使える者も知っている者も僅かにいるだけな筈なのだが………」
そう話ながら顎に手を当てて考え込む男。
『当然だ。その小国とは俺の国の事だからな。今の次元に居続ける様にしたのも国の連中だしな』
「なるほど、だから入口でも気が付いたんだな………だがお蔭でこうやってヤバそうな奴とも遭遇する羽目になったんだけど」
『文句を言うな』
「一体誰と話しているんだい?それとも独り言を大きく呟く癖でもあるのかい?」
「そんな癖は無いと思うけど………」
そう眈々と言葉を返すエローシュ。
そんなエローシュを見て不満そうな顔で口を開いた。
「賢いな君は。もう少し会話から探ろうと思ったけど無駄そうだ。まあどっちにしてもこの魔法を教えた時点で君達は全員殺すつもりだったから構わないか」
そう呟いて指をパチンと鳴らした。すると男を囲むように冥王教会のバリアアーマーが転移してきた。
「いやぁ、やはり戦力は残しておくべきだね。バルトマンとリクの2人以外にも新たに現れるだろうと踏んでいた俺の感は当たっていたわけだ」
「リク!?じゃあやっぱりお父さんは………」
「バカ、真白!!」
「お父さん………?あははははは!!似てる、確かに似ているぞ!!これは傑作だ。奴を誘き出す餌がのこのことやってきたんだからな!!!おい、あのガキは殺すな、捕らえろ!!!」
エローシュの叫びも虚しく、転移してきたバリアアーマー約30人が真白に向かって動き出す。
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