第21話 鎧武×リトルスターマイン ~Lesson~
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ふと光実は視線を感じて目だけをそちらに流した。
リカとラットがヘキサに注目し囁き合っている。私生活が謎に包まれている光実の姉妹とあって、取り沙汰さないと気がすまないのだろう。
「こーら! おしゃべりしてる暇があったらフォーメーション考えてよね。ただでさえスタイルが違うんだから」
「わっ。ご、ごめん、舞」
くるっ。舞が光実をふり返る。なびいた髪や無邪気な口元に、どきっとする。自分と舞は身長差がほとんどないから、何気ない仕草を至近距離で感じてしまうのだ。
「まずはお互いに踊ってみよ。実際にどんな感じか、ネットラジオじゃ分からないこともあるし」
舞の提案で、チーム鎧武とチームリトルスターマインが順番に普段のダンスを披露する段取りとなった。
チーム鎧武のスタイルは、ポップな曲に足を使ったジャンピングがメイン。
リトルスターマインは上半身を左右にうねらせ、曲はランダム。
――ということが分かった。
互いを観終わってすぐ、光実は舞と話し合い始めた。
「ミッチはどう思う? リトルスターマインのダンスってスローな感じが多いから、やっぱあたしたちでスピード落としたほうがいいかな?」
「そう…ですね。選曲にもよると思いますけど、僕らは結構飛んだり跳ねたりしますから。ステップの少ない向こうに合わせるのが無難じゃないでしょうか」
「やっぱそうよねえ。――咲ちゃんはどう? 何か案ある?」
話題を振られた咲は腕を組んで首を傾げた。どこかで木魚が鳴っていそうな沈黙。そして。
「ミッチくん。ヘキサのこと抱っこしてみて」
「「え!?」」
兄妹揃って声を上げた。しかも赤面してしまったから光実としては恥ずかしい限りだが。
「え、ええと、ヘキサ、いい?」
「は、はい」
何だこの付き合いたてのカップルのような会話は。そういう会話は舞としたい。
――などという雑念を払い、光実は妹の背中と膝裏に腕を回して妹を横に抱き上げた。
(まさかこの歳になって妹をお姫様抱っこする日が来るなんて……)
「うん、イイ感じ」
「ねえ咲、これってどういう意味?」
「チューやん以外はみんな背の高さがスゴイ差があるでしょ。だからバレエとかフィギュアみたいに、鎧武の人たちがあたしたち抱っこしたらカッコイイんじゃないかなーって」
「それいいかもっ」
舞が手を打ち鳴らした。リカやチャッキーも「良くない?」と言い合っている。
「ミッチ。実際にヘキサちゃんリフトして、どう? イケそう?」
「はい、バッチリですっ。ヘキサは元から軽いし。みんなヘキサと同じくらいなら、ラットたちも全然イケます」
「トモとナッツは男の人に抱えてもらうの、へいき?」
「スクールでたまにやる社交
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