第四章
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」
「マンション?」
「そうさ。東京に出たらそこに来いよ」
一緒に住むことを言ってみた。
「いいか?」
「わかったわ」
彼女は俺のその申し出を受け入れてくれた。
「いいのよね、それで」
「ああ、俺からも頼むよ
「じゃあ」
嬉し涙を流してくれた。それがまるで流れ星みたいに奇麗だったのを覚えている。俺はこの時天に昇るような気持ちだった。けれど。
それは夢でしかなかった。彼女が死んだのだ。
「おい、嘘だろ」
俺は実家からマンションにかかってきた電話を聞いてまずは信じなかった。
「冗談だろ、お袋」
「嘘でこんなこと言うかい?」
「いや、それはよ」
そんなこと言う馬鹿はいない。だから信じるしかなかった。
「交通事故でね」
「事故って」
「トラックにはねられて。駄目だったよ」
「そうだったのかよ」
「ずっとあんたのこと言ってたよ」
お袋はそれも教えてくれた。
「あんたのコンサートに行きたいって。けれど」
「・・・・・・そうなのかよ」
「ああ。それでさ」
お袋はさらに言った。
「あんたにコンサートと東京でのこともさ」
「どう言ってたんだい?あいつ」
「頑張っててさ」
「頑張れ、か」
「そうだよ。今まで連絡取れなかったんだけれどどうしたんだい?」
「大阪の方に行ってたんだよ」
俺はそう説明した。
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