スーパーロボット大戦OG外伝
0506話
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治療可能だと言われて唖然とするフィリオ。だが俺は笑みを浮かべつつ、口を開く。
「治療は可能だ。イスルギ重工に頼んでお前のカルテを手に入れて貰った。それをレモンに見せればまず間違い無いだろう。……カルテはまだスレイが持ったままだがな」
「……ふぅ。すまない、取り乱した。カルテを見てもいないのに、僕の病気を治療可能だと言える根拠は?」
大きく深呼吸をして、動揺を沈めてから尋ねてくるフィリオ。
「ラミアの身体の件は知ってるな? レモンというのはシャドウミラーの技術班を率いる女で、ラミアのようなWナンバーズという人造人間を作り出す技術がある。そして、さらに俺達の本拠地にはこの世界の何処よりも高度な技術を持った治療器具がある」
それにもし万が一にもレモンの技術やホワイトスターの治療機器で治療が無理だとしたら、最悪魔法に頼るという手段もある。手軽な所では近衛の回復魔法、あるいはアーティファクト。それで駄目だとしたら魔法界に行って大河内達が奴隷になる原因となったエリクシールを買うという手段もある。何しろ100万ドラクマ程度ならまだまだあっちで稼いだ金に余裕があるからな。
「……スレイ、彼の言っていることは本当かい?」
「ああ、兄様。アクセルの言っている内容は全て事実だ。私自身が直接シャドウミラーの本拠地である……」
「スレイ」
ホワイトスターという名称を出そうとしたスレイの言葉を遮る。
まだフィリオがこちらに所属するのを承諾していない以上は、さすがにホワイトスターの名前を出すのは時期尚早だ。
「……すまん。急ぎすぎたな。現状では色々と言えない事はあるが、実際に本拠地に行って確認したのは事実だ。シャドウミラーは今まで見た事も無い程に高度な医療機器を持っている。そこに……」
懐から取り出したデータディスクを俺とフィリオが向かい合って座っているテーブルの上に置く。
「この兄様のカルテがあれば、治療は可能だと思う」
そのデータディスクをじっと見つめるフィリオ。イスルギ重工で受け取った書類のままだと持ち運びに不便なのでデータディスクに収めたのだろう。そのまま数分も沈黙が続いただろうか。やがて考えを纏めるかのように口を開く。
「確かに治療出来ると言うのは非常に魅力的だ。僕だってこのまま死にたい訳じゃないし、プロジェクトTDの行く末を見てみたいという願望もある。だが、だからと言って君達シャドウミラーに所属して望みもしない兵器開発をさせられるというのは御免だ」
「……その割にはアステリオンAX、フェアリオン、そしてカリオン。どれもお前の作った機体は武装されているが?」
「……それは……」
何かに耐えるような表情のフィリオ。やはり個人としては兵器開発はしたくなかったが、時代がそれを許さなかった
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