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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第251話】
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量合わせたら一発でアウトだからな……危なかった」

「うぅ……まさか彼処から瞬時加速で減速するなんて……! でも、勝負はまだまだよッ!!」


 鈴音は地上に降り立ち、突き刺さった双天牙月の片割れを連結させるや直ぐ様接近戦を仕掛けてきた。

 距離が縮まり、何度も剣を交え、刃がぶつかる度に火花を散らせる。

 器用に回転させての連続斬りを行う鈴音だが、まともにやり合えばじり貧になるのは明白なので縦に振りかぶった時に横に身を反らし、避けるとグラウンドの土が激しく爆ぜる。

 横に身を反らした反動そのままに、横に一閃――だが、読まれていた様で双天牙月を手離した鈴音はそのまま屈んで回避、さっきの俺同様に足払いを仕掛けた。

 軸足に衝撃が走り、体勢を崩したその瞬間――。


「もらいッ!」

「チィッ……!?」


 片方のみの衝撃砲による連射による一撃一撃が装甲に伝わり、更に大きくエネルギーを減少させたが――一瞬の隙をつき、後方宙返りしつつ天狼を振るう。

 切っ先が鈴音の生身部分に触れて絶対防御が発動したのかそこでアラームが鳴り響き――。


「勝負ありだ。 この勝負、有坂の勝ちだ」


 腕組みしたままオープン・チャネル通信を行う織斑先生の言葉で、試合が終わったのを実感すると――。


「く、悔しい……ッ! 後もう少しで勝てたかもしれないのにッ!!」


 悔しさ滲ます表情のまま、その場で地団駄する鈴音も相当な負けず嫌いなのだろう。


「ふぅっ……何とか勝てたが、やっぱり鈴音は強いな……判断も早いし、今回は勝てたが次はわからないな」

「へ……? ふ、ふんっ。 褒めたって何も出ないんだからね? ……でもまあ? 一応今日の昼食ぐらいは奢ってあげるわ」


 腕組みし、ISを解除した鈴音がそういうものの、若干頬を紅潮させてるのは暑いせいかもしれない。


「……んじゃ、トルファン風若鳥の唐揚げ宜しく」

「し、仕方ないわね。 ……ふふっ♪」


 少し楽しげな笑顔で見つめる鈴音は、もう負けたことを忘れた様で少し安心した。

 九月三日の初の実践訓練という名の試合は、今回は俺の勝利という形で幕を閉じた――。
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