ターン34 鉄砲水と完全なる機械龍
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ーだ!だがまあ、それ以外の点については一理ある。いいだろう清明、今回はお前に花を持たせてやる。………明日はしっかりな、清明」
「万丈目………!」
「気を付けてね清明君、お兄さんのサイバーデッキはわかってると思うけど、すごく強いから。僕には応援するぐらいしかできないけど、精いっぱい応援してるから!」
「翔……!」
あ、なんかちょっと目に汗が。こ、こんなとこ見せられないよ!
「ごめん皆、僕もうちょっと今日は寝るから!」
そう言い残して、顔を見せないようにして二階へと駆け上がっていく。後ろの方でおい、俺のおかわりはどうした!とか言ってる声が聞こえたけど、ごめん万丈目。今あの場所に戻って感動のあまり泣かない自信が僕にはない。
「ふう………」
『やっと落ち着いたか。んじゃ、最終デッキ調整と洒落込もうかね』
「うん、そーだね」
さすがにあのカイザーが相手なんだ、中途半端に突っ込んでいったら速攻で返り討ちに合うのは目に見えてる。さーて、どうしようかなこのデッキ。
『まあ機械メタなら酸の嵐やシステム・ダウン、光メタならD.D.チェッカーとかコアデストロイあたりかねえ。ただまあ、正直言って俺はそういうのは好かん。そもそもあのカイザーに付け焼刃のメタデッキが効くとは思えんし、卒業デュエルでそんなの使ったらお前が大ブーイング受ける未来しか見えねえし』
「そうなんだよねえ。僕も欲を言うなら使い慣れたカードで勝ちたいし」
かと言って、僕のデッキは全体的に低い攻撃力を誤魔化しながら戦っていくビートダウンデッキ。圧倒的な攻撃力でガンガン攻め込んでくるサイバー流との相性は最悪だ。コントロール系が相手ならわりと強いんだけども。うーん。
『ふむ……ならいっそのこと、逆の発想もありかもな。具体的にはこれ入れてみよーぜ』
「コレ!?あー、でも………ありかも」
『だろ?』
そんなこんなで、ゆったりと夜は更けていった。明日、絶対勝とう。
「それでは只今よりシニョール丸藤バーサス、シニョール遊野による卒業デュエルを開始するノーネ!申し遅れましたが司会はワタクシ、クロノス・デ・メディチが担当しますーノ。ささ、それでは両選手入場ナノーネ!」
あらかじめ聞かされた話通りにクロノス先生からの超簡単な初めの言葉を聞き、僕らの入場が呼ばれたタイミングでデュエルフィールドへと登っていく。ふと見るとカイザー側の観客席は赤青黄の三色の制服でぎっしりと埋め尽くされており、その人気がうかがえる。ちなみに僕の方は………あー、うん。ですよねー。もののみごとにスッカスカだ。そんな中に座ってこっちを応援してくれてる十代たちには感謝。もしこれで誰もいなかったら戦う前から気持ちの問題で負けてたかもしんない。
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