ターン34 鉄砲水と完全なる機械龍
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我らがオシリスレッド寮に客がやって来たのは、あの男らしく実に突然だった。アポの一つも入れてくれないものだから、お茶菓子を用意する暇もなかったほどだ。
「清明、いるか」
そう言ってその男がドアを開けた時には、さぞかし驚いたことだろう。なにせ部屋の両端には明らかに不釣り合いな古ぼけたドアが素人丸出しの建築で強引に取り付けられ、その横には万丈目の部屋に入りきらなかった家具で野ざらしになっていたのをいくつかかっぱらってきた戦利品である一級品の椅子がポン、と置いてあったりするんだからねえ。住んでるうちに僕たちはだいぶ慣れてきたからいいんだけどね。
「………まあ、とにかく上がってよ、カイザー」
カイザー亮。デュエルアカデミアで最強ともいわれる、サイバー流の使い手である男。そんな男がわざわざブルー寮からここまで一人でやってくるとなると、その要件は………うん、さっぱりわかんない。
「で、何してるのそんなにキョロキョロして」
「いや、俺の寮とはずいぶん雰囲気が違うなと思ってな」
「……具体的には?」
「味がある部屋だ」
い、いかん。悪気がないのはわかってるけど、それでも嫌味にしか聞こえない。大体ブルー寮の方がおかしいんだよ、見た目からしてもう城だもん!そう、あれは断じて寮なんてチャチなもんじゃない。あれはどこからどう見てもただの城だよ。
『いやー、そこ抜きにしてもこの部屋は実際世にも珍しいと思うぞ。なんてったって壁のぶち抜きだし』
幽霊も住み着いてるし。カードの精霊もちょっとした動物園並みにいるし。あと猫。うーん、改めて並べてみると何かがおかしい気がするけど、まあいいや。
「話が脱線したな。俺がここに来たのは、お前に用があったからだ。明日、俺の卒業デュエルがあるのは知っているな?」
「まーね。確かあれでしょ、全校生徒から一人選んでそいつと皆の見てる前で学園最後のデュエルするっていうアカデミア恒例行事で年間行事予定表にも書いてあるあれ」
別に僕が行事予定表をじっくりと見たわけではない。台所の冷蔵庫に張り付けてあるから確かに一番見る機会は多いけど、この行事はかなり大掛かりなイベントだから誰だって知っている。十代クラスのデュエル人間だともしかしたら知らないかもしれないけど、まあさすがにそれはないだろう。この間の授業でクロノス先生もチラッと言ってたし。
『待て。もしかしてその時、十代グッスリ寝てなかったか?』
あ、そうだったかも。よくわかったなユーノ。っと、また話がずれた。
「それで、その卒業デュエルがどうしたの?あいにく十代と万丈目と翔は釣りに行っちゃったけど」
「いや、さっきも言っただろう。俺がここに来たのは、お前に用があるからだ。………そのデュエルで、俺はお前を指
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