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五章
光槍
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そんな武器があったのにディオンは一度も使ってなかったような…?
媒介があったらもしかしてあの魔法の威力はさらに上がるのかな?
すごいなぁ…。
見習わなきゃ!
「あっ!魔物!」
イーリスが嬉々として指差したのはゲコゲコという青いカエルの魔物。それも、ゲコゲコ二匹とオタオタ二匹、合わせて四匹だ。
少し分が悪い。
相手は弱いからいいけれど。
「やろうよ!」
「うん。私が右のゲコゲコを倒すね?イーリスは左を。ディオンは魔法でオタオタを!」
『了解』
「わかった!」
言うが早いか、イーリスは駆ける、早くはない。そしておぼつかない。けど初めての魔物討伐にしては非常に迷いが無い。
ディオンもすぐに魔法を詠唱し始める。
同時に身体にマナを寄せて、その身体に光を迸らせて。
わたしも負けられない。
キュッと柄を握り、走り出す。
走りながら確認したのはイーリスの動向。
「あっ…!」
わたしと同じ剣だ!
なんだか、少し嬉しい。
イーリスがコレを思い描いてくれたんだと思うと少し、頬が緩んでしまう。
が、
「虎牙破斬!」
えっ、と声を漏らす。
あの子、今?
技を使った?しかも、わたしと同じ技を?
たった一度しか見ていない筈の?
驚いてわたしは目を彼女に向けた。
その視界の端でゲコゲコの腕が伸びるのを見逃して。
「きゃっ!」
寸手で躱すが尻餅をついてしまった。
あっ、と声を出す頃にはゲコゲコの腕が再び伸び始めていた。
『光明の矢、天使の切っ先、しなる弓より放たれし清廉の槍』
聞いたことも無い筈の呟きめいた小さな詠唱。
『ホーリーランス』
何故か酷く懐かしい気がした。
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