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Cross Ballade
第3部:学祭2日目
第11話『猛撃』
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2回目なのに、何だか慣れてしまったような感じである。
 でも……心の奥底に、不安のもやがあった。
「これで2回目だけど……嫌かな。」
「そんなことない……うれしいよ……」
 唯のこわばっていた肩が、思わず柔らかくなる。

 が、誠は頭を整理しきれず、しゃべっていた。
「あのさあ……こんな俺でも、いいの? 来るもの拒まずで弱くてふらふらしているし、いまだに唯ちゃんか言葉か決められないし、親父があんなんだし」
「そりゃあもちろん! ……どうしたの?」
「いや」誠はふっと目を閉じ、「唯ちゃんなら、俺なんかよりふさわしい相手がいくらでもいるんじゃないか、と思って」
「そんなことないよ。私は、マコちゃんが好きだよ」
 誠は、愛しさと悲しさがカフェラッテのように入り混じった気持ちで、
「ありがとう……」
 小さく、答えた。
 やがて銀と緑のローカル線が、2人の目の前で停止する。


「あれ?」
 心は、思わず目をくぎ付けにした。
 まだスーツ姿の人が絶えない時間帯。
 その中で誠が、唯と腕を組んで、原巳浜駅に到着した電車に入ろうとしていた。
 唯の方も、誠にしなだれかかる形になっている。
「誠君……!」
 急いで心は、ありったけの小遣いを使うと、唯と誠を追う形で駆け込み、電車に乗り込んだ。
 その直後に、しゃあっと電車のドアが閉まる。


 七海一派に取り囲まれ、踏みつけられる言葉。
 携帯を取る暇もない。
「どうする、七海さんの言うように、伊藤から手を引くか?」
 頭を抱えて踏みつけキックに耐えながらも、言葉は、
「あきらめません! 誠君の彼女は、私ですから!!」
 言葉は譲ろうとしない。
「まだ刃向かうのかい。もうちょっと痛い目に合う必要があるな!」
 寄ってたかって蹴りつける七海一派。

 その時、第3者の声がした。
「待てっ!」「待ちなさい!!」
 皆、そちらを向く。
 そこにいたのは澪と澪ファンクラブ会長の曽我部、そして、ファンクラブのメンツが4,5人。
 思わずあっけにとられた。
「やめなよ、もういいだろう!!」
 ずいっと進み出て大声を上げる澪。
「なにがあったかわからないけれど、こんな真似、やめてもらえる?」
 曽我部もずいっと、一緒に出る。
「ちっ、あんたも抜け出して来たのか」
「ああ」澪はちらりと曽我部のほうを見て、「この人たちのおかげだけどな……。曽我部さん、またお願いできないか?」
「アイアイサー」
 澪をガードするのと同じように、曽我部を含めたファンクラブの皆は七海一派に飛びかかる。

 それを見届け、澪はがら空きになった言葉に近づいた。
 言葉もまた、土埃だらけで、腰までかかる髪も少々乱れている。
 どうやら、下着も脱がせられそうになったら
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