暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
ボス討伐戦
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「情報通りみたいやな」
すると、後ろからディアベルが出てきた。
「下がれ!俺が出る!」
ディアベルは走ってボスに近づくと、その剣を黄色いライトエフェクトが包み込む。
レンはそれを見て、疑問に感じた。
ここは大勢で攻撃した方がいいのに、何故一人で?と。
同じことをキリトも思っていたようで、彼も首をかしげている。
だが、ボスが背のところにある得物を抜いた時、表情を険しくする。レンもつられてボスの手にある得物を見る。そしてそれに気付いた。
───あれが曲刀?あれじゃあまるで───
「刀だ!!」
キリトは顔を険しく言った。
「ダメだ!全力で後ろに跳べ!!」
何人かの視線を感じながらキリトはそう叫ぶが、ディアベルはもうボスに向かって走り出している。
と、信じられないことが起こった。ボス、イルファング・ザ・コボルドロードが飛んだのだ。優に全長四メートルはある巨体をすさまじい速さで持ち上げる。飛び上がった巨体は周囲の柱を足場に加速する。
そして、その加速した速さを保ったまま、棒立ちしていたディアベルを切り裂いた。絶叫しながら、吹き飛ばされたディアベルは部屋の壁に激突して停止した。
倒れたディアベルを心配してか、駆け寄っていくキリトの背に幼い声がかけられた。
「キリトにーちゃん!!そのヒトのことは任せた!」
背後でキリトが頷く気配を感じながら、レンはボスに向かって走り出した。ボスの豹変ぶりに混乱するプレイヤー群からユウキが抜け出してきて、レンと追走する。無言で顔を見合わせて、頷く。
「ふっ!!」
短い気合いとともにボスに接近したレンは、その獣じみた鼻面をダガーで切り裂く。
悲鳴とともにボスは、プレイヤー達に降り下ろそうとしていた刀、野太刀を止める。その隙に、ユウキがレンの横から躍り出て、片手直剣垂直斬り《バーチカル》を発動させる。青い光に包まれた刀身がボスの巨体に傷跡を作る。
無防備な胸にダメージを受けたからか、赤く染まっているHPがカリッと削れる。
ギロリとこちらを向いたボス、イルファング・ザ・コボルドロードは咆哮を上げながら、再び飛び上がった。
先刻ディアベルを切り裂いたように、柱を足場にして加速する。
だが──
「遅い」
レンがボスの横に付いて追走していた。
そう、これがレンの最大の武器。
敏捷値
(
スピード
)
だ。
レンはレベルアップ時に獲得できる《ステータスアップポイント》を全て敏捷値につぎ込んだ。その結果生まれたのが、加速したボスに追いすがれるほどの圧倒的敏捷値だった訳だ。
そうレンは吐き捨てるとボスのギョロリとした眼に、自らのダガーを突き立てた。
再び絶叫しながら地面にすさま
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