サタン降臨
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民家の煙突の上。
そこにナツはいた。
「くそっ!人が多すぎる。ラクサスの臭いが見つからねぇ」
共にギルドを出たガジルはいない。
ギルドを出る前のティアの忠告により、別行動しているのだ。
『いい?街にはフリードの術式が点在してる。アンタ達2人が一緒に引っかかったら意味ないんだから、ギルドを出たら別行動ね』
「へ、火竜にもいずれ雪辱を果たさなきゃならねぇが、まずはあの増長した雷兄さんを潰す。随分とやってくれたからなぁ」
「ガジル様がそう仰るのであれば、私はそれに従いますわ」
マグノリアのとある木の太い枝に、ガジルとシュランはいた。
その2人の間にヒラヒラと人の形をした紙が現れる。
「問題はねぇよな?マスター『イワン』」
『今は仲間だと信頼を得る事が重要だ。気づかれるな。妖精の尻尾の一員として行動しろ』
その紙には丸や横線などの模様がかかれている。
マカロフとは別のマスターの名に紙からその人物と思われる声が聞こえた。
『妖精の尻尾に【罰】を与えるのはまだ先だ』
「了解」
「承知致しました」
その言葉にガジルは邪悪に笑い、シュランは表情を崩さず呟いた。
それと同時刻。
マグノリアの別の場所ではミラとエルフマン、アルカが歩いていた。
「姉ちゃん・・・もういいよ・・・1人で歩けるって・・・」
ミラに支えられて歩くエルフマンがそう言うが、ミラは申し訳なさそうな小さい笑みを浮かべた。
「私・・・何も出来ないから・・・せめて、これくらいは・・・アルカは大丈夫なの?」
「俺は平気だ。動けなくされて石化しただけだからな」
からからと笑うアルカ。
すると――――――――
「!」
行く先にあった石橋がガラガラと音を立てて崩れた。
「あぁあああぁあぁあ!」
「カナ!」
「え?」
「どうしたんだ、アイツ!」
崩れ落ちる石橋の瓦礫と共に落ちてくるカナは傷だらけで、苦しそうな声を上げている。
「ぐううう・・・あぐあああ!」
喉を押さえて呻くカナ。
崩れた石橋の上に、サーベルを構えたフリードがいた。
「しぶとい。さすがギルドの古株といったところか」
「フリード!」
「チッ・・・こんな時に!」
その姿を捉えたエルフマンの顔が怒りに似た感情に歪み、アルカが苛立たしげに軽く舌打ちをする。
「取り消しなさい・・・」
よろめきながら、カナは起き上がる。
息を切らしながら、目から涙を流しながら、叫んだ。
「ジュビアを『ファントムの女』と言った事を取り消しなさい!」
怒り、悔しさ、憎しみに似た
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