サタン降臨
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
抱え、ミラが叫ぶ。
が、フリードの攻撃は全く止まる素振りを見せない。
「闇の文字、苦しみ!」
「お願いフリード!何でもするからもう助けて!」
苦しむ2人の絶叫。
聞きたくない声を聞きながらミラが懇願する。
その言葉が届いているのか否か、フリードは更に攻撃を仕掛けていく。
「闇の文字・・・痛み、痛み、痛み、痛み、痛み、痛み!」
「ごっうがぎゃはぅあ!」
「ぐぁがっぎぃがああ!」
目にも止まらない速さでサーベルを振るう度、エルフマンとアルカは叫びを上げる。
「がふあ゛がぁあぱァがぁ!」
「があぐぎあああああああ!」
先ほどのカナのように、ゴキゴキと耳を塞ぎたくなるような音が響く。
それと同時に響く絶叫。
「いやぁーーーーーーーーーーーーっ!」
耳障りな音。
弟と恋人の絶叫。
ミラは頭を抱え、残酷な光景を見たくないかのように目を閉じ、泣き叫んだ。
「闇の文字・・・」
休む間もなく襲ってくる痛みに、エルフマンもアルカもフラフラだった。
立っている事すら難しくなり、体中を文字が埋め尽くしている。
それに構わず、フリードはサーベルを構えた。
「やめてぇーーーーーーーーーーーーーーっ!」
ミラが泣き叫ぶ。
これ以上、弟と恋人の苦しさだけで構成された絶叫を聞きたくなかった。
――――――が、その願いはフリードには届かない。
サーベルの先に魔力が込められ―――――――――
「死滅」
――――――――――――刹那。
(死・・・!?)
ミラの色素の薄い青い目が、大きく見開かれた。
その脳裏に、とある記憶が蘇る。
『ミラ・・・姉・・・』
額から血を流し、苦しそうに息をして。
姉と同じ青い目を細め、最後の力を振り絞るかのように震えながら手を伸ばして。
その左肩に赤い紋章を刻んだ、銀髪をショートカットにした少女。
「――――――――」
その記憶は、2年前のもの。
ミラとエルフマンの妹―――――リサーナが、死ぬ直前の――――――――。
「!?」
ぞわっ、と。
突如フリードは寒気を覚えた。
ピタッと動きを止め、辺りを見回す。
それと同時に、力尽きたようにエルフマンとアルカは倒れた。
「な・・・何だ、この魔力は!?」
圧倒的。
その言葉が何よりも似合うであろう魔力。
「ああ・・・あああ・・・」
その魔力の発生源は、フリードの下にいた。
俯き、体を小さく震わせ、小さい呻き声を上げる、銀髪の女性。
「ミラジェーン!?」
フリードがその名を呟いた、瞬間。
――――――
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ