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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第249話】
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――高層マンション最上階――
夜、時間も九時を過ぎた頃――。
「よおエム。 こっちに戻ってたんだな、あぎゃぎゃ」
「…………」
一室に入ってきた男は、壁に凭れかかっていた少女に声をかける。
だが少女からは返事はなく、一瞥すると興味を無くした様に窓に視線を移した。
「あぎゃ。 相変わらずつれねぇ奴だな。 ……良い女なのに、勿体ねぇ」
穿いたジーンズのポケットに手を突っ込み、階段を降りるその男は、ジーンズを飾るチェーンが歩く度にじゃらじゃらと鳴り、キラキラと灯りに照らされて輝く。
「……そういや、首尾は上手くいったのか?」
「……問題ない」
「あぎゃぎゃ、なら結構。 ……BT兵器の運用データ、後で貰いにいくぜ」
冷蔵庫の戸を開け、中から炭酸飲料水を取り出すや直ぐ様飲み口を開けてがぶ飲みする男を眺めながらエムと呼ばれた少女が――。
「……何故お前が取りに来る。 ……スコールに頼まれたのか――」
「あぎゃ、あの女は関係ねぇな。 ……BT兵器の運用データさえありゃ、俺様が譲り受けたドイツのペーパープランだった強襲用IS【ユーバーファレン・フリューゲル】が完成するってだけだ」
「…………」
実に楽しげに言う男は、飲み終えた炭酸飲料水の入った缶をゴミ箱に放り投げる。
放物線を描き、ストンっと入ったそれを満足そうに眺めていると――。
「……今言ったIS、誰が使う? スコールの予備機か……? それとも――」
「あぎゃ。 残念ながらスコールでもオータムでも無いさ。 ……勿論、お前用の予備機じゃねぇ……」
「……なら、誰が――」
「【俺様】だ」
男の言葉に、一瞬驚きの表情を浮かべたエムだが、それも直ぐに嘲笑へと変わる。
「ふっ、何を馬鹿な……。 男にはISが使えない――」
「へっ……。 それは誰が決めた? ……何故そう決めつける? 【有坂緋琉人】に【織斑一夏】と二人も男の操縦者が居るのに、何故三人目が出てこねぇって決めつけられるんだ?」
男の真剣な眼差しに、真っ向から対立する様に睨み返すエムは――。
「あり得ないからだ。 ……現にあれから、フランスのシャルル・デュノアの性別詐称を機に一部国家はその方針で決まった――」
「あぎゃ、所詮あんなのは取って付けた国の言い訳だろ。 ……七十億の内半分は男なんだぜ、エム」
手はポケットに突っ込んだまま、ソファーに腰掛ける男はそのまま言葉を口にする。
「それに、あり得ない事はあり得ない――国が躍起になって探さないのも、自分達の保身からだろうしな」
「……どういう事だ」
「あぎゃぎゃ、た
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