第6章:女の決意・男の勘違い
第18話:プレゼント攻撃
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ってきたわ。
「人聞きの悪い事を言わないで下さいよ……別に押し売りなんてしてません。お美しいビアンカさんにお似合いになるだろう商品をお譲りしようとしてるんです。シンさんも見たくないですか? 更に美しくなったビアンカさんを……」
「うっ……そ、それは……見たいですね」
ちっ……役に立たんボウズだ!
このままではトルネコさんに、私を通じてリュカが貸しを作ってしまう。
「お前等何にも解ってねぇなぁ」
本気で困っていると、後ろから軽い口調で誰かが割り込んできた。
一瞬リュカかと思ったのだが、本人は私の視界の隅でラピスに剣術指南をしている。
「ビアンカさんは何も着けないのが一番美しいんだ! アクセサリーやドレスなんてのは、美しさに伸びしろがある人が着けるもんなんだ。ビアンカさんには不要だね!」
振り返るとウルフ君がニヒルな笑みを浮かべ立っていた。わぁお、かっくいい!
「「ウ、ウルフさん……」」
あぁ……助かった。この優秀な義息は、尊敬する男の妻を助ける為に、恋人二人に白い目で睨まれながらも駆け付けてくれたみたいだ。
「シン君は見たくないのか? ビアンカさんの一糸纏わぬ姿を……」
「え、あ……いや……その……み、見たいッスよ……そりゃ」
ん〜……助かったのか、これは? 青少年の……それも私に気のある少年の性欲を刺激してるだけの様に思うのだが?
「それにトルネコさん。リュカさんを通さずビアンカさんにプレゼントを勝手にすると、変な誤解を招きますよ。『物で妻を誘惑し、肉体関係を得ようとしてる』って……怒るぞーリュカさん(笑)」
私を助ける為なのだと解ってるけど、物でつられる女扱いはムカつくわね。
「わ、私はそんなともりは「えぇ解ってます。トルネコさんにそんな気は無いんですよね。でもリュカさんがどう思うか……常識が通じない人だからなぁ」
確かに非常識な人間だけど、他者の思考を読み取る能力はズバ抜けている。
ウルフ君の言い様は甚だ不本意だ……でも、今は我慢する。
「あ、あの……この事はリュカさんには内密に……」
「えぇ勿論ですよ。激怒したリュカさんは手が付けられませんからねぇ……わざわざ怒らせて大惨事にしたくないですから」
あぁ反論したい。リュカはそんな事で怒る狭量な男じゃないのに……
「で、では私はこれで……」
大量の汗を拭きながらトルネコさんが私の前から去って行く……
方法は兎も角ウルフ君には助けられたのだろう。
「ほらシン君。君もリュカさんに剣術を習ってきた方が良いんじゃないのか? ラピスさんの相手をしている今が、最高のチャンスだぞ。あの人は面倒臭がりやだから、君がお願いしても指南してくれないだろうからね。本番で格好いいとこ見せたいんだろ? 行ってこいよ」
ウルフ君に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ