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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第248話】
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いな。

 ……だが匂いは美味そうなので、これは多分見た目はダメ系なのだろう。

 シャルの唐揚げの山に視線を移すと、色合いも鮮やかでこんがり揚がっていた。

 ……馬車馬の如く食べる俺にはありがたい一口サイズだったりする。

 この辺りはシャルが皆にも食べやすくする為の配慮だろう……相変わらず、周りの事を考える子だなと思い、感心する。

 そして未来の作ったポテトサラダと粉吹き芋。

 シンプルながらもこれも料理には欠かせないだろう。

 美冬のハンバーグも、実に美味そうな香りが鼻孔を擽る。


「んじゃ、皆で食べるか? 待ってる間腹と背中がくっつくかと思ったよ……」

「あはっ♪ お兄ちゃんったら、いっぱいあるからたんと食べてね♪」


 そんな俺を楽しげに見る美冬は、俺の隣に腰掛けた。


「うふふ、じゃあお母さんは飲み物を用意しようかしらぁ? セシリアちゃん、手伝ってくれる?」

「えぇ、勿論ですわお母様♪」


 母さんがセシリアに手伝いを呼び掛けると、嬉々として一緒に飲み物を用意するセシリア。


「じゃあ、あたしは小皿出そうかな。 何処にあるの、ヒルト?」

「あ、私知ってるから教えるよ?」

「そういえば未来ってヒルトの幼なじみだったわね。 ……少し、あんたが羨ましい」


 小皿を取りに向かった未来の後ろについていく鈴音。

 最後の方に言った言葉は聞き取れなかった……。


「……こうやってお互いに作った料理を食べるというのは、なんというか不思議な気分だな。 ……悪くはない、なんというか……心地好いものだ」

「そういう時はね、楽しいって言うんだよ。 ラウラ」

「……ふむ、そうか……。 ……ふふっ」


 そう微笑を溢すラウラを見て、シャルも一緒に笑顔になる。

 ……楽しい、そうだな……。

 こうして大人数で囲む楽しさというのは何だか久しぶりな気がする。

 それも、家という安らぎの空間で……。

 瞼を閉じ、皆の楽しそうな声を聞けるというこの環境に感謝しないといけないかもしれないな。

 全員が着席するや、母さんが――。


「じゃあ皆、ご飯を食べましょうかぁ?」


 ふわふわとした声がリビングに響き、母さんが先に言葉を口にした。


「いただきます」

「「「いただきます」」」


 皆が一斉に言い、夕食が始まった。

 会話も弾み、皆と食べる夕食の美味しさを噛み締めながら俺はいつもの様に馬車馬の如く、料理を平らげていった――。
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