引き篭もり
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明が宏助を抱き返してきたのだった。
「・・・・ありがとう・・・ございます・・・ッ」
明はそのまま、更に顔を濡らして、そのまま宏助の胸に顔をうずめる。
「・・・・・結局・・泣いてるじゃないですか・・」
「・・・・宏助さんが泣かせたんですよ」
「俺のせいですか!それッ!」
「そうですよ!宏助さんは、いつもそうやって・・・、いつも私に何かをくれる」
「・・・・俺だって色々もらってるんですよ・・・」
「そうでしょうか」
「そうなんですよ」
そんなどうでもいい会話の返しに明がついに吹き出す。
「フフッ」
「今明さん笑ったでしょう!」
「だって・・・宏助さんが可笑しくて・・」
「畜生〜!俺今いいこと言ったのに〜!」
「ありがとうございます」
「・・・・・!」
更に明が俺を抱きしめてくれて。
胸に顔をうずめるのはそろそろやめてもらえないだろうかとか。色々当たっているんだとか。
色々苦情はあるんだけれど、宏助は、それを飲み込んで、顔を少し赤くしながら当然のように明を抱き返す。
気がつくと明の顔は紅く染まっていて、代わりにもう、涙は流れていなかった。
そのまま宏助と明はしばらくそのままだった。
「あらら、こりゃ入れないわ」
遠くから望遠鏡で部屋の様子を見ていた麗は、ため息をつく。
宏助が上手くまとめられないようなら、サプライズとしてSP全員でなだれ込み、そのまま飲み会のような雰囲気に持っていくつもりだったが・・・
「宏助は上手くやったみたいだな」
真が微笑んだまま、麗に話しかける。
「まさか宏助くんがここまでやるとは思っていなかったわ。
おかげで、用意した酒や料理がパーよ」
麗が酒や料理を一生懸命用意しているSPたちを溜め息をつきながら見つめる。
「ま、あとで二人でここにくると思うから、そのときまでに用意しとけばいいんじゃないか」
そういいながら、SP全員にその旨を伝える。
皆も、ニッコリ微笑んで、その伝令に頷きそのまま部屋をパーティー会場へと変化させていく。
従業員に無理を言って宴会場をまるごとかりて、パーティー用にリメイクしているのだ。
その後は一度も、皆の笑顔が絶えることはなかった。
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