引き篭もり
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!」
「・・・・・!」
流石の真も、その後ろの麗も、周りのSPも、皆が静止する。
そう、宏助は気付いていた。
明の気持ちも。明が、あと一歩ということで自分を避けることも。
だから何か隠し事があるとは分かっていた。
だけど、宏助はそれについて追求するようなことは無かった。
明も、何もそれについて言わなかった。
多分、お互いそれ以上踏み込んだら、何かが崩れてしまうような気がしたんだろう。
「・・・明さんは言えたのに言わなかったんじゃねぇ。
俺のためでもあったけど、その行為は明さん自身のための行為でもあった。
それ以上踏み込んだら、何かが崩れてしまう気がするから・・・!
だから、ずっと隠してたんだよ!俺だって追及することはなかった。
ずっと避けてきたことに今、無理やり直面させられただけだ。
俺はこのことを知って、別に隠すようなことじゃないと思った。
だって、そんなことを知って俺は明さんのことを避けるほどアホでもない。
半年だぜ・・。もう少し信じて欲しいもんだ。俺がまだ気付いてないと思ってたらしいけどな。
でもまぁ、それはお互いさまだ。俺だって怖かった。一歩踏み込むのが。
だから、これからその一歩を踏み出してくるよ。もう遅いかもしれないけどな」
ここまでしゃべって俺はようやく言葉を切る。
もう、真も麗も、誰も何も言わない。
最後に真を見て、俺は一言だけ告げる。
「・・・・・まだ俺を殴りたいなら殴れよ。
でも、俺はお前が俺を殴る権利なんて・・・・持ち合わせちゃいないと思うぞ」
「・・・・・・ッ!」
「じゃあな」
そういって、宏助はそのホテルの一室を出て行った。
閉まったドアの音がやたらと大きく響く。
「・・・やられたわね、真」
「・・・・・何がだ・・・」
「何って・・・。ま、私たちが考える以上に宏助くんも色々考えていたのよ」
「・・・・」
「さーて!みんなー!準備するわよ〜!」
『・・・・・?』
「・・・なんの準備だ?」
一同が疑問符を浮かべ、真が麗に質問すると、
「何って、宏助くんの援護射撃に決まってるでしょ。彼一人だけじゃ、多分無理よ」
ニコッと笑みを浮かべて、そう答えた。
「失礼しま〜す」
ドカッ!バキッ!
「・・・・・!」
なんと明が引き篭もってた部屋のドアノブをぶち壊して宏助が入ってきたのだ。
布団を被って、ベットに寝ていた明は、布団の中で大きく目を見開く。
いつもならそこで飛び起きるところだが、今回はそのまま布団を被って寝ているだけだった。
「・・・・・・」
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