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第三十話 融和
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というものは客席に被害が及ばないように今現在公開されているISの出力では一撃で突破など出来ない強度を誇っているはずだった。
つまり、翻って既存のどのISの出力をも超えた一撃だったという事になる。
それほどの出力の攻撃に晒されて鈴はIS半壊、一夏も撃墜されはしたがほぼ無傷という程度の状況。紫苑の言うように、彼らに放たれた攻撃は障壁を破壊したそれではなかった。
「ウチらが戦ったゴーレムはほとんど攻撃してこなかったんスよね。牽制はしてくるんスけど、あくまで時間稼いでるような」
思い出したように話すのはフォルテ。どうやらダリルとのやり取りに飽きたのか紫苑と楯無の会話に入ってきた。彼女に合わせるようにダリルもその意識を二人の会話に向ける。
「こっちもそうだったわ。と、いうことはアリーナに侵入したゴーレムが本命って訳ね」
「そうですね。そしてそのゴーレムにしても、恐らく人間に対して非殺傷プログラムが組まれていたと思われます。そうでなければアリーナ内はともかく外で戦闘があったにも関わらず負傷者ゼロというのは奇跡としか言えません」
そう、直接戦闘になった一夏達はともかくとして、一般生徒には被害が全くなかったのだ。
「となると、目的は……アリーナ内で戦うこと、か」
楯無が彼女の中で導き出された答えを告げる。それは酷く曖昧で、答えというにはあまりに稚拙。
そこから考えられる可能性はいくつもあるからだ。
あのタイミングで入ってきたことから、それぞれがイギリスと中国の代表候補生であるセシリアと鈴の戦力把握が有力候補ともいえる。
とはいえ、紫苑は一つの可能性が頭から離れなかった。
あの時、導かれるようにピットと会場との扉を開けることが出来た。いや、開けさせられた。
つまりあの扉を開けて起こり得る出来事こそが首謀者の目的。
それは……織斑姉弟。
そして、決定づけるのがあの時のゴーレムの行動。
ゴーレムは、箒が放送室から一夏に対して叱咤した際に突如、障壁を破ることが出来ないレベルの砲撃を放ったのだ。織斑姉弟が目的だったとすればこの行動はおかしいが、その直後の出来事を見れば説明がつくのだ。
間に合うはずのない位置にいた一夏が盾となり、箒に放たれた砲撃をその身に受けたのだから。
紫苑にはあの時の記録映像とデータを確認して得た一つの事実がある。あの時、一夏は絶対防御のエネルギーすらブーストの推進力に転換していた。本来ISにはロックがかかっておりそんなことは出来ないはずなのだが、彼はそれをやってみせた。そして、そのあり得ない行動によりエネルギーが不足した状態で直撃を受け、中途半端な絶対防御しか発動せずにその衝撃により脳震盪を起こした。
逆を言えば、中途半端な絶対防
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