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SIREN2-End Of Destiny-
夜見島と怪異
絶望の始まり
大野真 -9:00 『出航』 中迂半島/三逗港
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島。


―――――――夜見島(やみじま)――――――――――

今から39年前、昭和51年。
四開地方にある小さな島があった。
島民は独自の文化を築いており、外部との接触は無いに等しかった。
しかし、そんな島に惨劇が起きる。

島民消失事件……。
本土と夜見島を繋ぐ海底ケーブルが、事故で切断。
夜見島全体に供給していた電力が無くなり、島全体が闇に包まれたのだ。
そのケーブルの復旧の為に島に作業員がやってきた頃には、島民全員居なくなってしまう。
それからというもの、あの島には誰も近づかなくなってしまった。
誰もが忌み嫌う夜見島。
真は雑誌の取材の為に向かうのだが、他の人はどうだろう。
送ってくれる優助はともかく、フリーターの朝子、小説家の内藤、イラストレーターの恭香。
夜見島にはどうも縁遠い人々ばかりである。

「優助くん、そろそろ行かないかね?」
「ええ……ですが1人足りなくて」
「足りない?」
安田恵(やすだめぐみ)さんという方がまだ来て無くて……」
「だがしかし時間がそろそろヤバい。それに天気が悪くなるうちに行きたいんでね」

内藤が空を見上げれば、分厚い雲が空を覆っていた。
時計を見ながら優助は、悩んでしまう。
だが時間も時間だ。
約束の15時を既に20分は過ぎている。
優助は「よし」と呟き、運転席へと向かった。

「わかりました、行きましょう。お二人は危ないので船内へ」
「中へ行きましょう、真くん」
「は……はい」

2人は船内へ入り、それぞれ空いている席へ座った。

「出航します」

大きなエンジンの音を出した後、船は夜見島へと出航する。


船が出港してしばらくの事。
船内は和やかな空気になっていた。
それぞれ自分の事を話し、かなり打ち解けていた。
真も内藤とすっかり仲良くなり、“オリオンの星”の制作秘話など聞いている。
夜見島はもうすぐそこ。
そんな時だった。

…………ガクンと船が大きく揺れた。

「うわっ!!」
「キャッ!!」

それぞれが掴まれそうな場所を探し、そこを必死に掴む。
小さな揺れはどんどん大きくなり、やがてまともに座っていられないほどの揺れに。

「時化でも無いのに……この波の揺れは何だ……!?」

優助も必死に舵を取ろうとするが、波に船は弄ばれ続ける。
真は思わず船内から手探りで外に出てしまう。

「こ……れは……!?」
「ダメだ!!大野さん、中へ!!」

その言葉は、耳には届かなかった。
波の音でかき消され、その波は船ですら飲み込んでしまう。

「う……ああぁぁ!!」

真は海に弾き出され、波に遊ばれる中意識を失ってしまう。
(まぶた)を閉じる前に見た、何か巨大な生物の
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