第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第13話 見習い悪魔は赤龍帝の夢をみるか?
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しかしながら、本物のアーシアはヴィータが助け出している。
いまごろ、連中は儀式がうまくいかずに、さぞ混乱していることだろう。
(そうそう。アーシアの『身代わり』は、あのフリードとかいうイカレ神父にしといたぜ。
あの野郎。アーシアを十字架に貼りつけようとかいいやがった)
(――ほう)
(で、ムカついたから『身代わり』にしてやった。身をもって貼りつけを体験できたんだから感謝して欲しいくらいだ)
(――パーフェクトだ、ヴィータ姉。どのみちフリード・ゼルセンは生かしておけないと思っていたんだ。逃さずにすんでよかったよ)
ドガアアアアアアアアッッッッッッ
教会の地上部から物凄い音が聞こえてくる。
兵藤一誠が、一発ぶちかましたようだ。
――――あれが、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の力
世の中には、数多の神器があれど、『赤龍帝の籠手』は別格中の別格だ。
かつて、二天龍という暴れ龍がいた。
災厄を撒き散らすかれらを憂慮した全盛期の三大勢力が、同盟してまで、やっと神器に封印した。
その二天龍のひとつを封印した神器が、『赤龍帝の籠手』だという。
その効果は、ずばり「倍加」である。
つまり、力を倍に増やし続けることが出来るという、単純にして強力な力だ。
完全に使いこなせば、たった1の力でも、無限に増やすことすら可能だろう。
――――教会内の陥没した地面がその証拠だ。
一方で、木場祐斗は、彼と即席とは思えないほど見事な連携をみせている。
確実に、ひとりひとり手早く仕留めていく彼の姿からは、たゆまぬ修練の跡が垣間見える。
偉そうな講評を垂れることができるのは、ボクもシグナムたちに絞られたからだ。
が、いまはそんなことはどうでもいいな。
もうすぐ、地上は一掃できそうだ。
(――もうじき彼らが、地下へ向かうようだ)
(わかっているさ。混乱にまぎれて地下へ戻って、偽物と本物を再びすり替えておくんだな?)
(そこが問題なんだよね。本物のアーシアを兵藤くんたちに「救出」してもらわないと。気づかれずにすり替えるタイミングがあるかどうか)
(マスター、ご心配なく。ステルス魔法を使用しているので、混乱している中ならば、まず気づかれないはずです)
(リインフォースがいうなら安心だね)
(魔法は私が行使するので、すり替えのタイミングは鉄槌の騎士次第です)
(わかっているさ。あたしに任せとけ)
――――さて。あとは、悲劇の聖女を救う勇者さんを待つだけ
――――はやくしたまえよ、兵藤くん
◆
木場祐斗は、嫌な予感がしていた。
堕天使が占拠する教会に切
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