大海の選ぶ道
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対し、フリードは冷静に口を開いた。
「俺自身の殺生人数を極力減らしたいだけなんだがな」
「何だとテメェっ!」
カナが怒鳴る。
その背後で、水がさざめく音がした。
「こうなった以上、仕方ないですね」
全身を水へと変えたジュビアが、立っていた。
「ジュビア・・・アンタ・・・」
「フリードさん。本当にどちらかが倒れれば潔く戦ってくれますか?」
「俺はルールを絶対に破らない」
「よかった」
ジュビアは微笑む。
腕を広げ、助走をつけるように体を浅井九の字に曲げる。
「本気なのジュビア!こんな所でやり合っても奴の思うツボ・・・」
カナの言葉をジュビアは聞かない。
「ちょっ・・・!」
向かってくるジュビアから身を防ごうと両手を前に出して――――――
「!」
その手が水で濡れず、目を開いた。
ジュビアはカナに攻撃せず、術式の壁を蹴りあげながら空へと昇っていく。
「え?」
「どんなに高く上昇しようと術式からは出られんよ」
そう言われても、ジュビアは上へ昇る。
その目に映るのは――――――――――――
「誰かをキズつけるくらいなら、仲間をキズつけるくらいなら」
――――――――空を舞う、神鳴殿。
「魔水晶に向かっ・・・まさか!?」
「やめなさい!それに攻撃しちゃダメ!」
ジュビアの考えに気づいたフリードは目を見開いて驚愕し、カナは叫ぶ。
が、ジュビアの意志は揺れず、勢いよく上昇し―――――――――
「ジュビアは道でいい!」
水と化した両腕を振るい、神鳴殿を1個破壊した。
カナが目を見開く。
ビキッ・・・と、ジュビアに電撃が訪れる。
「ジュビア・・・」
カナが呟いた、瞬間。
「うああああああっ!」
バチバチバチッ!
凄まじい音と共に、ジュビアの体は電撃に包まれた。
「・・・」
落下していくジュビアを見るフリードの目は見開かれている。
「アンタ!」
ドッと地面に落ちたジュビアにカナが駆け寄った。
その瞬間、2人を囲んでいた術式が消える。
「こ・・・これで・・・術式は・・・と、解けました」
「何考えてんのアンタ!」
目に薄い涙を浮かべ、カナが叫ぶ。
「ジュビアは早、く・・・認めてほしい・・・」
ジュビアは微笑む。
目から涙を溢れさせ、笑う。
「妖精の尻尾の仲間だ・・・って。皆が大好き・・・」
言葉を紡ぐジュビアに、カナは泣き叫んだ。
「とっくに仲間よ!認めるも何もとっくに仲間なの!アンタは立派な妖精の尻尾の魔導士なのよ!」
感情に任せるように、カナが叫ぶ。
その目か
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