大海の選ぶ道
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―――――火竜と鉄竜、2頭の竜が神鳴殿舞うマグノリアへと解き放たれる。
「!」
マグノリアの街の花屋の前。
その近くにやってきたミラは、そこに倒れる2人を見て目を見開いた。
「エルフマン!アルカ!」
倒れているのは、弟のエルフマンと恋人のアルカ。
その声に反応した2人はゆっくりと目を開く。
「ね・・・姉ちゃん・・・」
「・・・ミラ?」
アルカはゆっくりと起き上がり、立とうとしてふらつき、その場に座り込む。
「ひどいケガ・・・」
「よ・・・良かった・・・元に、戻れ・・・たん、だ・・・」
「ハァ、ハァ・・・悪ィな、ミラ・・・俺達、勝てなかった・・・」
エルフマンは身を起こそうとし、アルカは空を見上げて息を切らす。
アルカは特に大きな怪我はないが、1度放った炎を操るにはそれなりの魔力が必要の為、かなり疲労がたまっているのだ。
「ごめんねエルフマン、アルカ。ごめんね」
ミラの目に涙が浮かぶ。
「何で・・・姉ちゃんが謝る・・・の?」
「私、ファントムの時も・・・今回も・・・何も出来なくて・・・それで・・・」
俯き、涙を流すミラ。
そんなミラの銀髪に手を伸ばし、アルカは優しく撫でる。
「何もしなくていいんだよ、ミラは・・・この面白くもねぇケンカが終わった時、いつもみてーに『おかえりなさい』って、俺の大好きな笑顔で俺達を迎えてくれりゃあいい」
「うっ・・・うえ・・・ひっ・・・」
両手で顔を覆い、ミラは泣く。
自分の力不足、不甲斐なさを再び痛感した瞬間だった。
「頼むよ姉ちゃん・・・泣かないで」
「・・・アー、ライアー!」
「ん・・・」
その頃、フリードに敗れたライアーはサルディアの声によって目を覚ました。
後頭部で1つに結えた長い黒髪を揺らし、辺りをきょろきょろ見回し、ハッとする。
「サルディア!?という事は・・・」
「うん。ティアちゃんも無事だよ。今はギルドにいる」
「そうか・・・」
ほっと安心したように溜息をつくライアー。
「サルディア!ライアー!」
「ヒルダ!」
そこにセルリヒュールを片手にヒルダがやってくる。
その後ろにはボロボロながらしっかりと立っているスバルがいた。
「スバル・・・?お前、どうしてそんなにボロボロ・・・」
「ビックスローに負けちまったんだよ、グレイと一緒にな」
「フルバスターが!?珍しい事もあるものだな」
目を見開いて驚愕するライアー。
すると、人数が1人足りない事に気づく。
「主はどうした?姿が見えんが」
「あー・・・聞いた話だが、クロスは魔力使い過ぎと連戦の疲労でギルドで休んでるんだと」
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