第六話 Granza
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レスを紛らわすためだけのもの……。
それが5kで買えるなら安いもんだ。
そう思いながら、ふけていると、メッセージが一件届く。
送り主は、玖渚。
件名は、うまい話があるから今晩、ホールに集合、か。
まぁ、ホールなら酒も出るしな。
街に入れないあいつと話すには、それが無難だろう。
「了解、っと……」
俺はメッセージを返信し、吸い終わった煙草をその場に落とすと、そのまま煙草はデータの海に消えた。
夜、ホールへと行くと、玖渚とレイカ、天乃、スユアがいた。
「よう。 なんだ、玖渚にでも呼ばれたのか?」
俺がそう問いかけると、玖渚はニタニタしながら口を開けた。
「そうだよ。 私が呼んだ! まぁ今からする情報は、出来るだけギルド内の人で共有したいからね」
「じゃあなんで桜花とクーレイトとガンマさんがいないんだよ」
「桜花っちはもうこの時間じゃ寝てるでしょ? クー君とガンちゃんは別PTに呼ばれてるから来れないってさー。 それに……」
そこで玖渚は一度区切った後、声のトーンを下げ、周りに聞こえないように。
「この話、ちょっとああいうピュアだとか、いい人らには向いてない話なんだよね……。
曰く付きの話ってやつでさ……」
おいおいじゃあ俺らはいい人じゃないのかよとか突っ込んでやりたかったが、そう言える雰囲気ではなかった。
玖渚が、いつもよりも、顔に影があるように感じたからだ。
そう思っていると、天乃が口を開いた。
「……とりあえず、話してみてくれ。 内容によってその情報が有益か否か決める」
そんな天乃の言葉に、玖渚は暫く黙った後。
「ものすごく美味いクエがあるんだ。 一度そのクエをやればどんなレベルのやつでも、最低でも1は上がる。
最大で10以上上がることもあるらしい」
突拍子も無く言われたその話に、一同は唖然とする。
10上がるだと……!?
このレベルが上がりにくいSAOで、クエスト1回で10以上というのはあまりにも破格だ。
それどころか、1が確定で上がることすら相当美味い。
それは、有益どころの問題じゃない。
是非、ギルドの人間全員に推奨するべきクエストだろ!
そう思っていた矢先、再び玖渚が言葉を紡いだ。
「しかし、クエストの条件が少し厳しくてね。 まず期間限定。 一ヶ月のうち、四週目の金曜日、夜10時からクエスト受付開始。
朝4時でクエストが終了条件を達してようがなんだろうが、強制終了。 受注場所は13層の街中らしいけど、よくわからない。
しかもそれに加えてクエストに受注条件があって、それが……」
そこで、玖渚は言葉をしばし詰まらせた後。
吐き出すように、言葉を発した。
「フレンドの中で死んでいる人間がいる場合のみ有効なんだよね。 最低
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