第六話 Granza
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ーダはその中には入らず、その場から姿を消す。
暫くして、そこの隠し部屋に入った人間がいたが。
その部屋から戻ってくることは、永久になかった。
「新しい試みは常に私に新鮮さを与えてくれる。 何気ないいつも通りのことも、新しい気持ちで溢れるものだ。
今のことも、今からのことも、明日からのことも、私に新鮮な快感を与えてくれる。
嗚呼、人の死の瞬間を見るというのは、何故ここまで新鮮で安心で、刺激を与えてくれる、素晴らしいものなのだろうか」
その言葉だけを残して、恍惚に満ちた表情のまま、ザサーダはその場を去る。
平和な世界の水面下では、途方も無いようなどす黒い闇が展開されていた。
―――――
現実というのは常に死と隣り合わせだ。
それを、今、俺は再び実感している。
何気なく開いたフレンドリストから、月夜の黒猫団の連中が全て消えていることに気づいた。
何があったのかはわからない。
だが、永久にこの世界からも現実からも消えたことだけはわかる。
サニーさんの時も、ホイミの時もそうだったが。
命というのは余りにもあっけなく消えていく。
この世界では、フレンドを永久に失うことは、当たり前なんだ……。
しかし悲しいもんだよな。
現実なら、葬式とかに出て死に目くらい見てやれるが。
こんなデータの世界じゃ死んでもその体を拝めねぇ。
ただ、ため息を吐きながら、ギルドの本拠地である家の自室で寝転がる。
結局本拠地は22層にある酒場付きの家を50Mで購入した。
酒場はスユア、レイカ、桜花が店でもやってギルドの財源にするらしい。
俺はリアルは営業とかのサービス業じゃなく事務だったからな。
店での接客にはあんまり向いてない。
経理くらいはやってもいいが、レイカがリアルでそれだったみたいだから、俺は店には出ない。
天乃は店長という名目だが、あいつは元々ライン系の職のリーダー候補生だったみたいだからな。
飲食店系には向いてないのだろう。
まぁそんなことはどうでもいい。
俺としては、フレンドが減ったことがただただ悲しい。
大体、フレンドが減ったところで、いいところなんざ一つもない。
最近出てきたアイテムを加工して作った紙巻煙草を加えて外へと出る。
所詮、こんなアイテムもニコチンもタールも入ってない、それっぽいだけのものだ。
ま、それでも販売制限がかかってて、二十歳以下は購入できないんだけどな。
因みに1箱5k均一。 20本入り。 味はマイセン、マルボロ、セッタ、KOOL、ラーク風の5つ。
俺はマルボロとKOOKの2つを所有してるが、天乃はマイセンとラークを所有してる。
まぁ飽きたら交換できるし、悪いもんでもないだろ。
スト
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