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《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
そして日常
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相談したけど先生も当てになんないし、これ以上エスカレートするなら警察に行くだけよ。・・・それに、もう道嵩君に迷惑はかけたくない」
遠慮している様で、はっきりと線を引く言葉だと思った。当然だろう。周囲があんな人間ばかりでは、誰でも疑い深くなる。ほぼ初対面の人間となれば尚更だ。
「......」
俺は一つ溜息をついて黙り込んだ。別にこれでお終いにしてもいっこうに構わないのだが、それはあまりにも勿体ない気がした。折角のチャンスなのだ。どうにかしてもっと話せないだろうか。
ふと、スーパーの裏に喫茶店があるのを思い出した。以前に友人とゲーセン帰りによった事があったっけ。
「......なぁ、なんか飲まないか?」
は? という風にこちらを凝視する詩乃を見て、切り出し方を間違えたと悟りつつも、すでに後戻りはできない。バリバリと癖のある髪の毛をかきつつ、俺は半ば自棄で言いきった。
「そんな青い顔されてたら心配になんだろ。なんか飲んでちょっと休め」
もはやゲーセンの事は頭から吹き飛んでいた。呆気にとられた詩乃の柔らかい右手をつかむ。彼女の体がビクリと震え、抗議めいた声が口からぼそぼそと零れた。
「あの......ちょっと 、手、放して......」
「い、いいから、今回は俺の奢りだって」
次回があるのかよ? と冷やかすもう一人の声を黙殺しつつ、半ば引っ張るようにして詩乃を喫茶店へ連れて行く。まったく、ここまで優雅からほど遠いお茶の誘い方もあるまい。
後悔と羞恥を飲み下し、道中せかせかと足だけを動かしながら、どうしてこうなった、と俺はひたすら自問していた。
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