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《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
そして日常
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としてさぁ」

衝動のままに刺々しい口調で言いはなった。今度は後悔していない。どうなろうとここを曲げてしまったらいけないと思った。

惚け面を見せた遠藤と腰巾着の顔がみるみる険しくなっていく。ああ、さらば平穏な学校生活。女子の間でどんな陰口を叩かれるのか、もはや俺ごときの脳みそでは想像も付かない。

「は? キモイんだけど。なにいい子ぶってんだよ、馬鹿のくせに」

「なになに?化生君って痛い人だったの?」

「くっふ、だせぇのそっちだろうがよ」

グサグサと心に突き刺さる罵倒。この時点で俺のライフはゼロだが、それを悟られないようにしつつ、肩をすくめてこう言った。

「......ガキかよお前ら。つーかあんまり騒ぐと人が来るかもだぜ? またタイーホされてぇのかよ、あ?」

こいつらが警察騒動を起こしたのは記憶に新しい。口げんかでは勝てる可能性が万一にもないので、脅どしを混ぜる苦肉の策だったが、ポリスメンの偉功はどうやら無事に機能したらしい。一様に顔をしかめた彼女らは、それぞれ飛び切りの捨て台詞を吐いて去っていった。「人殺しのガキでも育てる気かよ?」という言葉が一番頭にきたのは言うまでもない。

やっちまった、とぼやきたいのを押さえつつ、まだ青い顔でこちらを見上げる詩乃と向き合う。とっさには何を話したらいいか分からず、取りあえず立ち上がれるように手を差し伸べた。

「ほら、大丈夫か朝田?」

「......うん、ありがと。えっと、道嵩君だよね?」

やんわりと俺の手を拒絶しつつ、詩乃は苦労して思い出したらしい名前を呟く。俺は思わず苦笑した。そういえば今までろくに話した事がなかった。俺が一方的によく知っていただけの話だ。

「そそ。あんま話したことなかったもんな」

「うん。......ごめんなさい。なんか面倒に巻き込んじゃったみたい」

申し訳なさそうに瞬いた瞳がこちらを見る。困惑と感謝が半々といったその色を見て、俺はとっさに激しく同意したがっている本心を隠した。

「.....ああ、いいよ別に」

なんにせよ、彼女との接点ができたのは思わぬ収穫だった。何度か声をかけようと試みた事もあったのだが、彼女自身一人を好んでいるように見えたので、なかなか近寄りづらかったのだ。

「そう? あの人たち性格悪いから、もしもの事がないといいんだけど」

そんな俺の気持ちなど露知らず、詩乃は消え入りそうな声で事実を言った。ぞっとしない話である。顔をヒクヒクと痙攣させながら、俺は話の方向を変えようと必死に足掻いた。

「俺のことより、お前はいいのかよ? 実際に遠藤達に絡まれてんだろ? やな話だけどさぁ、こんな事続くならガッコーに相談した方がいいぜ? なんなら俺がーー」

「ううん、いいんだ。何回か
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