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万華鏡
第五十一話 文化祭開幕その十三
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「この二つでいいじゃない」
「ううん、それもそうね」
「そう、幾ら学校の中でも飲み過ぎの女の子達だけだと危ないわよ」
 万が一というのだ。
「だからね」
「それもそうね」
 部長が書記のその言葉を受け入れた、そのうえでの言葉だった。
「じゃあその二つでね」
「量も多いから」
 その黒蜜や苺のだというのだ。
「人数分は充分あるから」
「氷は?」
「あるわ、それに氷はあれじゃない」
「お水があれば出来るからね」
「そう、心配いらないわ」
 それもだというのだ。
「外に出なくてもいいから」
「それじゃあね」
 こうしてだった、外には出ないことになった。
 そのうえで皆でかき氷を食べていく、部長はかき氷に黒蜜をかけたものを美味しそうに食べてそのうえで言うのだった。
「黒蜜っていいわよね」
「あんたそれ好きよね」
「ええ、そうよ」
 その通りだとだ、部長はにこにことしながら副部長に答える。
「甘いものも大体好きだけれどね」
「黒蜜が特になのね」
「この強い甘さが好きなのよ」
「かなり癖の強い甘さだけれどね、黒糖は」
「ええ、それでなのよ」
 その癖の強さがいいというのだ。
「私黒蜜が好きなのよ」
「それでところ天もよね」
「ところ天には黒蜜でしょ」
 部長は副部長にあっさりと返した。
「それしかないでしょ」
「まあそれはね」
 副部長も部長の今の主張には頷いて返した。
「ところ天っていったらね」
「それと一緒よ、だからかき氷にもね」
「黒蜜なのね」
「関西風にね」
「東京とかじゃあれよ」
 ここでだ、書記が部長に言って来た。副部長と書記は苺である。かき氷が綺麗なピンク色に染まっている。
「お酢なのよ」
「それと唐辛子よね」
「辛子かね」
 そうしたものをところ天にかけるというのだ、関東等では。
「そうなってるのよ」
「ああ、そういうのはね」
「駄目なのね」
「私はね」
 部長は書記にあっさりと答えた。
「というかところ天にはやっぱりね」
「黒蜜っていうのね」
「それ以外は考えられないわ」
「そう言うと思ったわ、実は私もね」
「あんたもなのね」
「やっぱりところ天にはね」
 黒蜜、それだというのだ。
「他には考えられないわ」
「でしょ?というか関西だとね」
「ところ天は甘くないとね」
「駄目よ、食べた気がしないわ」 
 到底だというのだ。
「私もそうだから」
「そうそう、関東はどうもね」
「そこがわからないわよね」
「何か関西のところ天は葛の代わりらしいけれど」
 関西には葛もある、言わずと知れた吉野葛だ。
「それで甘いのよ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
 さらに言う部長だった。
「私もところ天はやっぱりね」
「黒蜜
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