第一章
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ピーターラビットのお父さんのお話
これは少し昔のお話です、まだピーターラビットもピーターの妹さん達もまだ小さかった頃のお話です。お父さんはお母さんに巣の中でこう言いました。
「今からちょっと遊びに行って来るよ」
「遊びにって何処になの?」
「うん、マグレガーさんのお家のところにね」
そこに行くというのです。
「遊びに行って来るよ」
「マグレガーさんのところって」
その場所に行くと聞いてです、お母さんは困った顔でお父さんにこう言いました。
「危ないわよ」
「マグレガーさんご夫婦はヒステリックだからね」
「そうよ、それに兎が大好物なのよ」
兎のお肉がです。
「だから捕まったりしたら」
「食べられるかも知れないね」
「絶対にそうなるわ」
だからだとです、お母さんはお父さんを止めようとします。
「折角今日は休日だから」
「休めばいいっていうんだね」
「ここでね」
巣の中でだというのです。
「そうした方がいいわよ」
「そうは言ってもね、グラハム君と約束したんだ」
「あそこに遊びに行こうって?」
「そうなんだ、だからね」
「お付き合いなのね」
「だからいいだろう?」
お父さんはお母さんに頭を下げて頼み込みました。
「行っても」
「仕方ないわね。けれどね」
「くれぐれもマクレガーさんにはだね」
「そう、気をつけてね」
「わかってるよ、僕もパイにはなりたくないからね」
お父さんもこうお母さんに言います。
「食べられない様にするよ」
「頼むわよ」
「うん、じゃあね」
こうしたことをお話してからです、お父さんは巣から出てグラハムさんと待ち合わせをしました。そうしてなのでした。
グラハムさんからです、こう言ってきました。
「じゃあ今からね」
「マクレガーさんのところに行ってだね」
「遊ぼう、あのお家の畑のお野菜美味しいからね」
「レタスが美味しいんだよね」
「そう、それと蕪の葉っぱがね」
それも美味しいとです、グラハムさんはお父さんに今からとても楽しそうに言います。
「だから行こうね」
「うん、ただ女房に言われたけれど」
「奥さんにかい」
「あそこは危ないから気をつけろってね」
お父さんは自分の奥さんに言われたことをグラハムさんにそのままお話します。
「そう言われてるけれど」
「気をつけるのは当然だね」
そのことはグラハムさんもわかっています、それでお父さんにこう言うのでした。
「さもないと捕まってね」
「食べられるからね」
「僕だって食べられたくはないよ」
グラハムさんもでした、そうなりたくないのは。
「だからね」
「気をつけてね」
「遊びに行こう」
こうお話してでした、お父さんとグラハムさ
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