『第十八話』〜湯の町 海鳴温泉〜
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ついね。ただ違ったようだよ」
すると、アルフはなのはに近づき、
「〈今のところは挨拶だけね〉」
急になのはの顔色が変わった。
(念話か)
「〈忠告しとくね。子供は良い子にお家で遊んでなさいね〉」
子供ね。
「さあって、もうひとっ風呂行ってこようっと」
「待って下さい」
俺は風呂の方向に去ろうとするアルフを呼び止める。
「なんだい?」
「また勘違いでこのまえみたいなことが起こってしまうかもしれませんので少しばかり忠告を」
そう言いながら俺はアルフに近づき、すれ違う位置に立ち止まる。
そしてアルフにしか聞こえない声で言った。
「これは忠告ではない、警告だ。アイツ等を少しでも傷つけてみろ。その時は、お前の命を、全てを狩る」
「なっ!?(こ、この子本当にフェイトと同い年かい!?こ、こんな殺気、あり得ないだろ!?)フェイトも殺す気かい?」
「過去の俺なら迷わず殺しただろうな。だが、今はその気はない。フェイトにも伝えておけ。お前とは敵対する気はないがなのは達を傷つけるようなら迷わずお前を殺すとな」
「わかった」
そういってアルフは今度こそ去って行った。
「……拓斗……君?」
「ん? どうした?」
「う、ううん!なんでもない!行こう」
「そうね」
「うん」
「そうか」
なのはside
女の人は少し拓斗君と話し、お風呂の方に行ってしまった。
もしかしてこの前の子、フェイトちゃんの味方?
それとも新たな敵さん?
色々な考えが浮かんでは消えていく。
だめだめ。
今はアリサちゃん達と一緒なんだから考えるのは後にしよう。
拓斗君、アリサちゃん、すずかちゃんの方を向く。
その瞬間固まってしまった。
「……拓斗……君?」
どこか感情のない眼で女の人の後ろ姿を追う拓斗君がそこにいたから
アリサちゃんもすずかちゃんもさっきの女の人より拓斗君の方が気になってるみたい。
そして、女の人が完全に見えなくなって。
「ん? どうした?」
いつもの拓斗君がいた。
「ううん。なんでもないよ。行こう」
「そうね」
「うん」
私の言葉にアリサちゃんもすずかちゃんも頷いて、拓斗君も頷いて歩きだす。
今の拓斗君はなんだったんだろう。
私は拓斗君の横顔をじっと見つめていた。
拓斗君の目、とても冷たかった。まるで刃物のような冷たさ。でも、なぜかその目を見ると、とても悲しかったの。
なんか、拓斗君がとても遠くに行ってしまいそうで。
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