暁 〜小説投稿サイト〜
迷子の果てに何を見る
外伝その一
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
外伝1 もしもリリカルな世界に飛ばされていたら
side レイト

世界から弾き飛ばされたオレは真っ白な世界に居た。
ここにはすべてのものがある。
ここにはすべてのものがない。
そう理解する。

「これが『根源』か。確かにそうだと『理解』できてしまうな」

『理解』
それがオレだけの『根源』なのだろう。
オレは人間が理解できるはずの無い精霊のすべてを理解してしまった。
故に根源へと誘われてしまった。
ここに誰もいないのもここはオレだけの『根源』だからだろう。
不意に異変を感じた。空間に罅が入り始めていた。
その罅の向こう側はここではない何処かの世界である事を『理解』する。
オレはキティの元に必ず帰ると約束した。
しかしこの世界から抜け出す術をオレは持たないことを『理解』した。
そして、この罅はこの世界から抜け出す術であることを『理解』した。
ならばどうするか?
答えは一つしか無い。
オレは罅に穴をあけこの空間から飛び出た。
そこで一度オレの意識は途絶えた。




次に目が覚めると

「知らない天井だ」

起き上がり状況を確認する。部屋の調度品や今寝ているベットからかなり裕福な家に保護されたのだろう。ふと、視線を感じそちらを向く。

「うおっ!」

そこには庭からこちらを伺っている50匹程の猫の群れがいた。
さすがにこれには驚いた。
その群れのボスと思われる1匹が口に何か宝石を銜えていた。
その宝石が気になりベットから降りると

「視線が低いな。いつの間にオレは子供になったんだ」

服も子供用に着せ替えられているがそれは置いておこう。
窓を開けると一斉に猫が飛びかかり、オレにすり寄ってきた。そして猫好きに取っての楽園が誕生した。なぜこんなにも好かれているのか分からないがとりあえず1匹ずつ頭を軽く撫でてやる。最後にボス猫を撫で、代わりに宝石を受け取る。
その宝石は今まで感じた事の無い力を秘めているらしく今までのオレなら理解する事は出来なかっただろう。だが、根源にたどり着いたオレに『理解』出来ないものはない。
そして理解すると同時に危険であると判断。厳重に封印を施し影の倉庫に収納する。

「アイ〜、みんな〜、どこに行ったの〜」

庭の方から誰かを探す様な声が聞こえてきた。その声に反応して何匹かの猫が鳴き声をあげる。

「そこにいるの」

走って表れた少女と目が合う。

「はじめまして」

「えっ、あのはじめまして」

「すまないけど大人の人を呼んできてくれないかな。お礼が言いたいし、あとこの子達をどけるのを手伝ってくれないかな」













[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ