第四章
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りだった。俺の完敗ってわけだ。切り札を出すよりも前に敗北した。戦車での突撃はあえなく失敗に終わった。
「それで終わりだったんだな」
「そうさ」
仲間達と一緒に夜の街中でだべりながら話をした。場所はパブだ。勿論ハイスクールの連中は入っちゃいけない場所だがこっそりと入って大人のふりをしてカウンターでビールをやりながら話す。
店の中はかなりぼろぼろで木に年季があった。何か頑丈なだけが取り柄みたいな椅子に座ってテーブルにビールを置いて。それで皆と話をしていた。
「見事にな。今回は失敗さ」
「今回は、かよ」
「明日また仕掛けるさ」
言いながらビールを飲んで思い出したのはそのペンダントをしていた首元だった。白くて奇麗な首に銀のペンダントが映えている。そして何よりもその下の胸元のことを思い出した。
「またな」
「まあそうじゃなくちゃな」
「仮にもあんな娘をゲットするってんだからな」
「そうさ、やってやるぜ」
俺はまた言ってやった。
「何があってもな」
「そうそう、その意気ってな」
「頑張れよ」
仲間も笑顔で周りから励ましてくれた。
「明日もな。正面からな」
「ぶつかっていけよ」
「そうさ、明日もダンスパーティーだ」
俺も言葉を出してやる。
「明日こそな。陥落させてやるぜ」
今は涙はビールで流し込み取り乱しそうなまでに苦しい気持ちも流し込んでやった。ビールと仲間の言葉が何よりも嬉しかった。けれどそれは今夜までのことで明日また挑戦してやる、俺はそのことを固く誓いながら今は飲んだ。また明日仕掛けてやることを決めて。
恋のレッツダンス 完
2009・6・15
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